夜の国から
第2夜テーマソング
Aimerが自身のYouTubeチャンネルにて2021年4月よりアニメプロジェクト『夜の国』を始動させました。
内容は『ヨル』という人の言葉を話す大きな鳥が夢の中に現れ、心の闇を照らしていくストーリー。
【グレースノート】はその第2夜の主題歌となっています。
物語の序章
舞台は第2夜、引っ込み思案な紬(つむぎ)は陽菜(ひな)と交換日記を交わす仲。
幼少の頃よりずっとこの習慣を続けてきました。
ですが社交的な陽菜はある日、琴子(ことこ)も交換日記の仲間に入れようと切り出します。
そのことが受け入れられずにいる紬をヨルは夜の国へと誘うのです。
主題歌としてこの第2夜にどう寄り添っていくのでしょうか?
それでは歌詞を読んでいきましょう。
浮かんできた秘めたるもの
想いはノートに閉じ籠り
開いたノートに綴った青さは
終わりのチャイムに君の背中を探してた
出典: グレースノート/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大
先述した女同士の三角関係がこの物語の鍵になってきます。
陽菜は社交的で、周囲に上手く馴染めずにいる子を気にかけたりもする面倒見のいい女の子です。
琴子がいつもひとりで寂しそうにしていたのを見過ごせず、交換日記の仲間に入れようとします。
ですが控え目な紬からすれば自分の友達を取られたような気持ちがしたのでしょう。
その日の交換日記に紬はこう書き記しました。
この日記は2人で続けたい。
出典: https://www.youtube.com/watch?v=xUuxTf8Dom8
これこそがノートに青く綴ったものの正体ではないでしょうか?
「青」とは「青二才」や「青臭い」などの言葉がある通り未熟なものの象徴です。
友人を奪われたという嫉妬にも似た気持ちと琴子への引け目を感じる紬。
そして陽菜との2人だけの聖域を汚されたようにも感じたのでしょう。
この心理が成熟していない少女のそれだとして「青」という表現を用いたものと推察されます。
そんな紬は下校のチャイムが鳴る頃に君、つまりは陽菜の姿を探してしまうのでした。
その「青さ」が探していた、と語るのはそれが紬の心情を象徴しているからですね。
浮かんだ音色は
不器用で曖昧な
譜面にできない音色
胸に閉じ込めた
出典: グレースノート/作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大
この「音色」とはここではどうやら紬の気持ちを表しているようです。
例えば作曲家が思いついたメロディーを譜面に落とすように私もこの気持ちをノートに書き留めたいのだけど。
浮かんでくる気持ちは言葉にするには拙く、因果の理で筋道を立てて伝えることができなかった。
自身の気持ちの不明瞭な認識を「曖昧」とし、筋道立てて文章にできない拙さを「不器用」と表現したのです。
そのもやもやした気持ちを紬は結局文字にできないまましまい込むのでした。