歌詞の世界観は? エッそれは呼び捨て?!

クリープハイプのセンターに位置している尾崎世界観さん。本名ではありません。(期待されたキラキラネームと思ってた?) 本名は尾崎祐介(おざきゆうすけ)さんです。

作る楽曲の「世界観」を褒められたのですが、喝采を斜めに受け取って「世界観」に名前を変えたという逸話があります。こんなところも彼の歌に対する独自の姿勢が見えてきます。

本屋さんでも会える世界観ワールド

2016年には本名「祐介」をタイトルにした単行本を発表、小説家としてもメジャーデビューしました。編集者は、歌詞に使われた言葉の配置の巧妙さに着眼したようです。

「傷つける」は2013年7月リリース、クリープハイプのメジャー2ndアルバム「吹き零れる程のI、哀、愛(ふきこぼれるほどのアイ、あい、あい)」に収録されています。

一筋縄ではいかない歌詞に隠されているのはやはり「愛」なのでしょうか? 古典戯曲の舞台音楽として採用された曲は、愛のレベルも高いはずですね。傷つくことを覚悟して切り込んでいきます。

【傷つける/クリープハイプ】愛を感じさせる歌詞の意味を徹底解釈!コード譜&PVを紹介♪の画像

ストレートに言わない、それが基本!

本当の自分はコレじゃない、マッシュルームカットもハイトーンな声も自分じゃないと思いたい。素直に表現したら、暴かれてしまうホントの自分を見られたくない。

照れているなんて、熱量のない言葉でまとめて欲しくない。したくないしてほしくないことを多く持っているのは尾崎世界観さんの長所です。

繊細さの裏返しで溢れる想い

“面と向かってそれは言っちゃダメ!” なワードも歌詞にのっけてしまうのは、言葉を繊細に選んだ結果なのでしょうか? “あんた” が誰なのかを読み解く必要がありそうですね。

後悔の日々があんたにもあったんだろ
愛しのブスがあんたにも居たんだろ
愛なんてずっとさ ボールペン位に思ってたよ
家に忘れてきたんだ ちょっと貸してくれよ

出典: 傷つける/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

後悔をしているあんたを指すのは友人や知人ではありません。

自分を俯瞰して自分に“あんた”と呼びかけています。

過去には距離を縮めた相手もいた、飛び切りの美人ではないけれど。判断基準を設定するのは自分だから“ブス”なんていうのは大きなお世話です。

付き合うという事態にはしゃいで、一番大事な部分は見て見ないふりでした。重視するべきだった愛、その愛はボールペンという文房具に例えられてしまいました。

ボールペンなら貸し借りもできるし、最近はリフィルの交換もできるからエコな愛もアリ? と軽くいなして歩く背中が見えています。

書けないボールペンでは愛も生まれない?!

ボールペンには油性・水性がありますがどちらがお好きですか? 私は水性派です。

最近はこすると消えるボールペンもあるので文具マニアとしては日々ボールペンから目が離せません。

話を戻します。油性・水性どちらのボールペンにも必要なのがインクそしてインクの出具合です。

インクがベストコンディションで出てくれればボールペン本来の使命を果たしてくれます。

インク出なくて 愛は掠れちゃって
結局何も見えないな
インク出過ぎて 愛が滲んじゃって
結局何も読めないな だから

出典: 傷つける/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

手に取って使い始めてやっと気づいた、大切なのはボールペンと向き合うこと、ボールペンの中までキチンと見なければいけないこと。

インクが出なくて役に立たないボールペン、インクが出過ぎても目的が果たせないボールペン。

愛なんてそこらにあるボールペンと同等に扱っていたことを、今更悔やんでも遅いのは確かなようです。

順調に行くはずだった、愛を口にしたのだから

愛が順調に進むためには、黙っているだけでは通じません。こちらの想いを伝えるときは声に出さないと相手には届きません。

勇気と共に口にした言葉は相手に届くといいのですが。結果は?

韻を踏むに注目しつつ歌詞を検証♪

口頭で言ってみて 冒頭でつまづいた
適当にごまかして 相当な馬鹿だな
繋いでも無駄だよ なんとなく振り払う
あの手は熱いから なんかいつも恥ずかしくなる

出典: 傷つける/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観