厭なとこと言えば 抜け落ちる記憶と
いつまでも抜け落ちない誰かの足跡
出典: シザースタンド/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
唯一この部分では、「僕」の彼女に対するちょっとした不満が語られています。
ここで使われている表現は「嫌」ではなくて「厭」。
「厭」は、嫌いというストレートな意味ではなく飽き飽きしてしまうことなどの意味を持ちます。
1行目、これはストレートに「彼女は忘れっぽい」と解釈しました。
しかし単純な物忘れではなく、「僕」との想い出に関する記憶ではないでしょうか。
2行目が表すのは「僕」の嫉妬。
恐らく彼女には「僕」の他に忘れられない人がいたのでしょう。
彼女の瞳の奥に時々映る自分以外の存在に、「僕」は気づいてしまいました。
そして、いつまでも消えない彼女の過去の想い出に「僕」は少しうんざりしていたのです。
小さな怪獣
自由でぎこちない翼
She was a little monster
Was born in an end of Eastern
On her back there’s an awkward feather
That’s big enough to carry one whole planet
出典: シザースタンド/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
(和訳)
彼女は小さな怪獣なんだ
東の国の片隅に生まれた小さな怪獣
彼女の背中にはぎこちない羽が生えている
それは惑星を1つ丸ごと運べるほど大きな羽
彼女はしとやかで美しい。
けれど時々、触れると壊れてしまいそうな程、か弱い存在にも感じるのです。
よく笑い、よく泣き、「僕」を困らせ虜にする。
そんな自由な存在の彼女を怪獣と表現したのではないでしょうか。
東の国とは単純に日本のこと。
そして彼女が持つ「羽」は彼女の未来を比喩していると考えました。
今はまだ完璧ではないけれど、世界を包み込める程の大きな可能性を秘めている。
彼女はいつか、その大きな羽で大空へ飛び立つのでしょう。
真実の愛
Now little monster
Oh girl should I name you Easter
I’m here to celebrate you
For being in time when we are awake
出典: シザースタンド/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
復活祭(ふっかつさい)は、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念・記憶する、キリスト教において最も重要な祭
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/復活祭
きっと彼女は今、何か混沌の中にいて精神的に不安定な状態。
「復活祭」は、彼女の悩みが消えて生まれ変わった未来を表しているのではないでしょうか。
彼女が前を向いて歩きだす時まで、「僕」は彼女を支えるつもりなのでしょう。
不器用に愛すること
複雑に絡み合う
右利きのハサミを左手で無理に
切り続けるような僕らの愛しい日々
出典: シザースタンド/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎
この歌詞から想像できるのは、思うように進まずもどかしいという2人の関係。
それでも2人は愛し合い続けます。