もう一度あのセリフが…

注目のクライマックスシーンは夜の街を歩く2人。

楽曲が止まったかと思うと冒頭のあのセリフがもう一度登場します。

「ほんの少しも君を忘れないよ」

ここに繋がっていたか!という感じですね。

そのまま彼女に手を引かれ、2人は夜の街を駆けだします。

なんとも甘酸っぱい話ですね。

ラストシーンが物語るのは

なんて思っていたら、ちゃんとオチがありました。

ラストシーンで登場するのは描き上げた彼女の似顔絵と、机に突っ伏して眠る主人公。

このことが何を物語っているかはもうおわかりでしょう。

彼女との日々はきっと夢だったのです。

似顔絵を描いてしまうぐらい想っていたら、そりゃあ夢にも出てきますよね。

甘酸っぱい恋愛ストーリーかと思いきや、まさかの夢オチ。

短い時間の中でも、時系列の表現が秀逸で引き込まれてしまいました!

楽曲をレビュー

ここまでMVを解説してきましたが、もちろんのこと主役は楽曲です。

ここからは肝心の「サテライト」の曲内容をレビューしていきましょう!

イントロ

うっすらと漂うようなシンセの中に響く、強い残響が印象的なギター

まずは幻想的な幕開けが聴く人を引き込みます。

力強いドラムが一瞬の静寂を生んだかと思うと、疾走し始めるビート。

オクターブ奏法による熱のこもったギターサウンドと煌びやかなシンセが彩るイントロが展開されます。

現代的な響きに、ギターロックファンの期待感も高まりますね。

高い音楽性が垣間見えるメロ部分

Aメロではポピュラーではあまり使われない半音の動きを使ったコード進行を展開。

続くBメロでは変拍子と錯覚するような、トリッキーなリズムアプローチを見せます。

これらの要素を踏まえて歌モノとして成立させてしまう辺り、バンドとしての音楽性の高さを伺わせますね。

ボカロP歌い手として、それぞれが1人でも音楽を世に送り出して来たサイダーガールメンバー

集まれば相乗効果でよりブラッシュアップされたものが生まれるのですね。

三人寄れば文殊の知恵とはまさにこのことです。

爽やかでほんのり甘いサビ

サビではオルゴールを彷彿とさせるシンセが耳に残ります。

その中で歌われるのは爽やかでほんのり甘い、まさにサイダーのようなイメージのメロディ。

イメージキャラクターやMVもそうだったように、楽曲にこそ「サイダーガール」というバンド名を感じられますね。

「ほんの少しでも君を忘れない」の意味は?歌詞を解釈

ここまでご覧いただいた方なら、MVで登場したあの言葉の意味が気になっているのではないでしょうか。

そう、「ほんの少しでも君を忘れない」というあのセリフです。

お気づきの方も多いかと思いますが、歌詞の中にも登場しているんですよ!

ここからはその内容を少し覗いてみましょう。

彼女とのことだけが

君がもしあの星だったなら
明日も千年先も探すよ なんてさ
そんな冗談で笑うような
生活だけが僕の宇宙になってたんだよ

ちっぽけな 行く末

出典: サテライト/作詞:知 作曲:知

主人公と彼女が別れてしまった後を匂わせる冒頭部分。

彼女と交わした冗談が主人公の頭を過ります。

「僕の宇宙になっていた」というのは彼女とのやりとりが主人公にとっては全てだったということでしょう。