Mr.Children『youthful days』の歌詞をピックアップ!
今回ご紹介する曲はMr.Childrenの2001年11月7日リリースのシングル『youthful days』です。
ドラマ「アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜」のテーマソングとして知られています。
また「大人のキリンレモン」(キリンビバレッジ)のCMにも起用されていたのをご存知ですか?
実はWタイアップを獲得した名曲なのです。
大ヒットナンバー「君が好き」「優しい歌」とともにアルバム「IT'S A WONDERFUL WORLD」に収録されています。
爽やかな風を感じる『youthful days』ライブ映像
Mr.Childrenの曲はどれも名曲揃い。
『youthful days』ってどんな曲だっけ?と首をひねった方はこちらのライブ映像をご覧ください。
画面から爽やかな風を感じるような、フレッシュなメロディに心惹かれます。
「youthful days」を和訳すると「若々しい頃」。青春時代や子ども時代とはどこか違う印象を受ける言葉ですね。
名作ドラマを彩った名曲『youthful days』にはどんな「若々しい頃」が描かれているのでしょうか。
歌詞を紐解きます!
雨上がりにだけ見える空
幸せな恋愛の真っ只中にいる2人。不安がないわけではありません。
いつだって不安を消してくれる存在が隣りにいるのです。
自転車で空を飛ぶ
にわか雨が通りすぎてった午後に
水溜まりは空を映し出している
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
さっきまで真っ青な空が広がっていたのに、突然の雨。
気まぐれのように降って気が済むと消えていきました。
「君」と「僕」の2人は雨上がりとともに外に出てきたようです。
何か用事があったのか、それともただ雨上がりの景色が見たかったのか。
歌詞から受ける印象としては後者なのでしょう。
おそらく風がない日、雨が置き去りにした水溜まりは微動だにせず、乾くのを待っています。
水面が揺れないため、空の青も雲の縁取りもしっかりと映し出されているのでしょう。
まるでもうひとつの空が広がっているような光景です。
二つの車輪で 僕らそれに飛び込んだ
羽のように広がって 水しぶきがあがって
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
2人乗りの自転車で水溜まりを走り抜けます。
水を跳ね上げるためにはそこそこの水量がある大きな水溜まりに、そこそこのスピードを出して突っ込まなければなりません。
ですから「水溜まりの中に空がある」と気づいたのは水溜まりの手前の一瞬のこと。
その一瞬で「空だ」とはっきり認識できるぐらい、綺麗に映り込んでいたのでしょう。
2つのタイヤはそれぞれ左右に水を跳ね上げました。それを「羽」と表現しています。
偽物の空の中を、2羽の鳥が羽ばたきました。
君は笑う 悪戯に ニヤニヤと
僕も笑う 声を上げ ゲラゲラと
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
2人の笑い方に違いがありますね。彼女は思惑ありげに、そして彼はひたすら楽しそうに。
幼い頃、水溜まりを踏みつけて水を跳ね上げ、大人に怒られた経験はありませんか?
誰かに泥水がかかるかもしれない、自分の服やカバンが汚れるかもしれないからダメ!
水溜まりは避けて歩くものだという認識が、子どもの頃に植えつけられています。
ですから、水溜まりを自転車でひと思いに駆け抜けていく「約束破り」は大人の特権かもしれません。
彼女は「約束破り=悪いこと」を楽しんでいるから、いたずらっぽい表情をしたのでしょう。
一方の彼はどうでしょうか。
偽物の空だけれど、すぐに消えてしまう羽だけれど、一瞬でも彼女とともに空を飛びました。
空を飛ぶという「不可能」が「可能」になったのです。
彼女と一緒にいれば、何だってできるのではないか。そんなふうに感じて笑ったのかもしれません。
しかし水溜まりも羽も見えない速度で乾いていきます。
そんな刹那的な景色に万能感を抱いてしまう自分は馬鹿げている、と感じて笑ったのかもしれませんね。
僕の安定剤は君
歪んだ景色に取り囲まれても
君を抱いたら 不安は姿を消すんだ
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿