彼女とともに過ごせば何だってできる、たとえ一瞬だとしても空を飛べる。そう確信しています。
風が吹けば、水溜まりの空や雲があやふやになるかもしれません。
そんなときは彼女に触れて、彼女の存在を確認します。
そうすれば2人は離れることはありません。広い空で太陽や雲が形を変えても、迷子になることはないのです。
ここまでの歌詞から察するに、彼は「ついてこい!」と引っ張っていくタイプではない印象ですね。
どこか彼女に依存している感じが否めません。
鼓動がぶつかり合う音
胸の鐘の音を鳴らしてよ
壊れるほどの抱擁とキスで
あらわに心をさらしてよ
ずっと二人でいられたらいい
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
「鳴らしてよ」は彼の心を鳴らして欲しい、という意味がひとつ。
もうひとつ、彼女の心のありかを教えて欲しい、という意味にもとらえられますね。
強く抱きしめ合ううちに2人の体は溶け合って、内側にある「心」が丸見えになるかもしれません。
高鳴る心が跳ねるたび、2人の心はぶつかり合うでしょう。
そうしている間はずっと彼女の存在を感じていられます。歪んだ空でも迷子になりません。
これからも鼓動を重ね合わせていられるようにと彼は願っています。
お互いが与え合う存在に
サボテンの育て方を知っていますか?
サボテンも恋愛も、スクスク育てるのは案外難しいのかもしれません。
夜に咲くサボテンの花
"サボテンが赤い花を付けたよ"と言って
"急いでおいで"って僕に催促をする
何回も繰り返し 僕ら乾杯をしたんだ
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
サボテンの花は夜に咲くということをご存知でしょうか。
花は子孫を残すためのものであり、花開いている間に鳥や虫が花粉をどこかに運んでくれます。
サボテンは熱帯の植物で、受粉に協力してくれる生き物の多くが夜行性。
そのため、夜に花を咲かせる性質を得たといわれています。
花が最も美しい瞬間を逃すまいと彼女は彼を呼び、喜びにグラスを鳴らしたのでしょう。
もしも「花=彼女」だったら。
彼女が最も美しく輝く瞬間、彼を強く愛している時間に彼を呼んだのです。
そして何度も愛し合ったのでしょう。
サボテンが花開いている時間、彼女が輝いている時間、これが「youthful days」なのかもしれません。
だけど朝になって 花はしおれてしまって
君の指 花びらを撫でてたろう
僕は思う その仕草 セクシーだと
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
サボテンの花にとって日中に咲く他の植物はライバルです。
そのため、朝になれば花を落としてしまいます。
サボテンは常緑樹なのでいつだって花をつけることができ、たったひと晩の開花でも困らないのだとか。
若々しい時間を過ぎてしまった花に触れる彼女。
過ぎてしまった夜を嘆いているように感じる動作です。
「youthful days」が過ぎた彼女は、昨日よりも少し大人びて見えるのでしょうか。
サボテンはワガママ?
表通りには花もないくせに
トゲが多いから 油断していると刺さるや
出典: youthful days/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
花は子孫を残すためのもの。異性を引きつけるものと言い換えることができます。
もしも彼女が昼夜問わず美しい花を咲かせていたら、彼はうかうかしていられないでしょう。
実際サボテンの花が咲くのは夜。日中、多くの人に出会う街中で不安はありません。
だからといって彼女に見向きもしなかったり、放っておいたりすれば、彼女は黙っていません。
刺さる「や」と歌っていることから、実際こういったことが起きたのかもしれませんね。
常に手をかけ、愛情を注ぎ続ける。
人を愛することは、植物を育てることに少し似ているのかもしれません。