この「ラストクリスマス」、そして「ケアレス・ウィスパー」など数々の名曲を生み出したジョージ・マイケルは、2016年12月25日に53歳で他界しました。
奇しくもクリスマスの日。
冥福をお祈りしたいと思います。
3.Happy Xmas(War Is Over)(ハッピークリスマス)/John Lennon(ジョンレノン)
争いをやめよう!
20世紀の偉大なレジェンド、ビートルズの作品は、ほとんどがジョン・レノンとポール・マッカートニーによって作られました。
そのジョン・レノンがクリスマスのために作ったナンバーです。
1970年のビートルズ解散後、妻のオノ・ヨーコと共に音楽活動を続けていたジョンが「永遠に残る、クリスマスソングを作りたい」と考えて、作られた曲だと言われています。
今では世界中で流れている名曲ですが、1971年の発売当初はアメリカではチャート・インしませんでした。
リリースのタイミングがクリスマス1か月前で遅すぎたというのが主な理由ですが、ネットやマスメディアが発達した現代とはかなりテンポが違ったようです。
また、この作詞作曲が「John Lennon&Yoko Ono」となっていたため、版権を持つノーザンソングス社が難色を示し、イギリスでは翌年にリリースされることになりました。
最高位は4位でしたが、ジョンの死後、2位を記録、彼のソロでの代表曲の一つになっています。
「強者にも弱者にも、金持ちにも貧乏人にも、クリスマスはやってくる」
「だからもう争いはやめよう」とジョンが語りかけます。
彼の姿勢は常にピュア。ストレートな言葉で伝えてくれます。
これは彼の名作「イマジン」に通じるところですね。
4.DO They Know It's Christmas?(ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス)/Band Aid(バンドエイド)
イギリス、アイルランドのチャリティー・プロジェクト
1984年に起ったエチオピア大飢饉では、およそ100万人が餓死したと言われています。
その惨状を知ったイギリスのバンド「ブームタウン・ラッツ」のボーカル、ボブ・ゲルドフと、同じくイギリスのバンド「ウルトラ・ヴォックス」のミッジ・ユーロがエチオピアの飢饉を救うために作ったのがこの曲です。
当時のイギリス、アイルランドの有名アーティストを集めて、チャリティーとして歌われたこの曲は、その後、USAフォーアフリカやライブエイドなどのチャリティを触発する大きなきっかけとなりました。
その後、バンドエイドⅡ、バンドエイド20を経て、2014年にはエボラ出血熱の支援でバンドエイド30が生まれ、異なるメンバーによってこの歌が歌われています。
歌詞はバンドエイド毎に、手が加えられ少し変わっていますが、平和な世界に住む我々に「(被害にあった人々は)クリスマスがあると思っているんだろうか?」と問いかけるもの。
その意味でジョン・レノンの「Happy Xmas(War Is Over)」と同じコンセプトですね。
宗教行事であるクリスマスだからこそ、こういうメッセージを伝えなくてはならないという姿勢です。
5.Wonderful Christmastime(ワンダフル・クリスマスタイム)/Paul McCartney(ポールマッカトニー)
ジョン・レノンのクリスマスソングと対照的
こちらはポール・マッカートニーの手によるクリスマスソング。
同じビートルズ出身ですが、クリスマスソングについてはジョンとポールは対照的なアプローチを見せています。
ジョン・レノンが反戦色を全面に押し出したのに対し、ポールは「ただ単純にクリスマスを楽しもうよ」と歌っています。
ポールもジョンに負けず、政治色の強い歌を作ってはいるのですが、クリスマスソングについては別。
「Simply=単純に」みんなでクリスマスを楽しもうという優しいクリスマスソングです。
この曲の発表は1979年ですが、テクノポップ調のサウンドが決して古さを感じさせません。すべてポール一人で演奏しているこのナンバー、今も私たちを楽しませてくれています。
Simply having a wonderful Christmastime
We're sinply having a wonderful Christmastime
出典: http://www.utamap.com/viewkasi.php?surl=38985
歌い継がれる至宝の名曲
今度は、いわゆる「昔からあるクリスマスソングの王道」と呼ばれる曲を取り上げてみます。
「赤鼻のトナカイ」「ジングルベル」などの歌もこのカテゴリーですね。