自身の体験をもとにした「教習所」
この曲は眉村ちあき自身が体験した、教習所での出来事をもとに作られた歌です。
音楽活動をしながら教習所に通うも、なかなか思うように免許を取ることができない彼女。
ついには応急救護の時間での胸骨圧迫の練習中に泣き出してしまったこともあったそう。
そんな教習所での生活を彼女は「人生最大の戦い」といっています。
誰でも取ることができる免許ですが、何が彼女をそこまで苦しめたのでしょうか。
歌詞から考察してみたいと思います。
歌詞の意味をチェック
それでは、さっそく歌詞の意味を解釈をしていきます。
この曲で一番大きく描かれている感情は「被害妄想」です。
実際は周りの人は彼女のことなど気にしていません。
なのにアウェー感から彼女は周りから悪い風に思われているのではないかと勘違いしてしまいます。
では、場面ごとに詳しく見ていきましょう。
1番 地獄のような授業
元気のない電話
この曲は、電話のセリフから始まります。
彼女は教習所に折り返しの電話をしたところ、教習所は彼女にとって悪いニュースを伝えたのでしょう。
彼女は2度聞き直した後、ため息を吐き、頭の中が真っ白になってしまったのか、また聞き直しています。
それほどショックなニュースだったのかもしれません。
また、彼女の口調から、少し消極的な人格をイメージをした人も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな彼女が曲の後半では発狂してしまうほどの鬱憤をぶちまけます。
何があったのかはまた後ほど。
ついていけない授業
ついていけない授業 まわりはみんな 10代 誰も顔色ひとつ変わらない Creepy Story 怪しい挙動 膨らむ被害妄想止まらない
出典: 教習所/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
教習所は10代の生徒が多いです。
しかし、彼女はこのときには20代でした。
他の生徒が前を向いて真剣に授業を受けている中、彼女は周りの目が気になってしまいます。
ただでさえ難しい教習所の授業。
そんな中で周りの目を気にしてしまっては、余計に授業も頭に入ってきません。
顔色ひとつ変わらない10代の生徒。
それとは対照的に、落ち着けない彼女の焦りが描かれています。
そして、そんな焦りからついに被害妄想が始まります。
アウェー感が強ければ強いほど激しくなる被害妄想。
もう授業どころではないのでしょう。完全に悪循環に陥ってしまっています。
そんな彼女の様子を不気味な物語だといっています。
胸骨圧迫 ますます酷くなる被害妄想
教習所 人形の胸に手をつく 人工呼吸をする 落ちてく涙で濡れた部分は 必ず拭いて貼れ AED
出典: 教習所/作詞:眉村ちあき 作曲:眉村ちあき
次に応急保護の授業の場面に移ります。
応急保護の時間といえば、4、5人で1組のグループになり実践練習をするのが一般的ではないでしょうか。
また、他の授業より賑やかな雰囲気になるのも特徴のひとつです。
しかし、彼女は胸骨圧迫の最中に涙を流してしまいます。
彼女はそこでも、アウェー感を感じてしまったのでしょう。
しかし、応急保護の時間は他の授業に比べ、コミュニケーションをとる必要があります。
一度抱えてしまった被害妄想は止まることを知りません。
何も思われていないのに、自分から壁を作ってしまい上手くグループに馴染めず、孤立してしまいます。
そんな心境の中人形の胸に手を当て、胸骨圧迫するのは彼女にとって地獄のような時間だったのではないでしょうか。
周りは楽しそうに話をしたり、笑い合ったりしながら授業を受けている中で彼女は一人で胸骨圧迫をしている。
すると周りの目はますます気になってしまいます。
そしてついに、彼女の張り詰めていた糸が切れてしまいました。