地上で僕ら ジリジリしながら
燃え上がる 日が来るの
待ち続けていた
Ah… まだやまない雨
太陽のナミダ
出典: 太陽のナミダ/作詞:カワノミチオ 作曲:カワノミチオ
許されぬ恋を続けるふたりを責めるように、灼熱の太陽が照りつけます。
太陽の光は、ふたりを責める眼差しでしょうか。
いつでも、どこにいても太陽はふたりを強く鋭く照らし続けます。
そして、自分の元から離れていかないようにと泣いてすがって気持ちを引き留めようとしているのでしょう。
その涙は彼の気持ちを大きく揺さぶります。
葛藤と迷いの雨はいつまでもやむことはなくふたりを阻み続けるのです。
自問自答
ふたりの時間
止まりそうな 時計の針
寝ぼけ眼(まなこ)で見つめている
聞こえてくるのは たぶん雨の音
出典: 太陽のナミダ/作詞:カワノミチオ 作曲:カワノミチオ
ぼんやりとうつろな目で見つめているのは、ふたりの時間です。
ふたりのこれまでと、これからの時間。
葛藤と迷いの真っ只中で、ふたりの時間が消えてしまいそうな気さえしてしまうのでしょう。
一秒一秒が大切でかけがえのない時間だったからこそ、失いたくない。
時間が止まるということは、ふたりのこれからも消えてしまうことなのです。
つまりは、その先のあるのは、幸せではなく別れです。
自分の全てを
このままここで
待ち続けるのかい?
それじゃ何も変わらないよ
僕が僕自身になるために
いますぐこの街飛び出して行こう
傘を捨てて 君のいる場所へ
出典: 太陽のナミダ/作詞:カワノミチオ 作曲:カワノミチオ
この場所で、彼は何を待っているのでしょうか。
きっとそれは、ふたりが許される日を待っているのでしょう。
しかし、そんな日は永遠に来ることはないのです。
決して許されることのないふたりの恋を、離れている距離がさらに阻みます。
会いたくても、会えない。
でも、今会わなければ自分の気持ちにずっと嘘をつくことになるのでしょう。
彼はついに心を決めて、覚悟をします。
自分の全てを捨てて、彼女のもとへ雨を振り切り飛び出して行ったのです。
罪と罰
逃避行の先に
ギラギラ太陽 この世の全てを
捜し出し 焼き尽くせと
待ち構えている
出典: 太陽のナミダ/作詞:カワノミチオ 作曲:カワノミチオ
逃避行の先にあるのは、幸せなのでしょうか、それとも別れなのでしょうか。
愛するものを失った「もうひとりの存在」である太陽は、なおもふたりを照らし続けます。
まるで罪人をあぶり出すように、自らの炎で彼らもろとも焼き尽くしてしまうぐらいの強い光なのでしょう。
恐怖を感じるぐらいの強く深い激情にも似た愛情が、ここからは感じ取ることができます。
しかし、それと同時に太陽である「もうひとりの存在」の深い哀しみも垣間見えるのです。
抑えきれない気持ち
地上で僕ら 気づかぬふりして
剥き出しの 欲望を
隠そうとしてた
Ah…降り続く雨
太陽のナミダ
出典: 太陽のナミダ/作詞:カワノミチオ 作曲:カワノミチオ
禁断の恋は、どこからが罰を受けるべきものになるのでしょうか。
気持ちが触れ合った瞬間からなのか、越えてはけない一線を越えてしまったらなのか…。
ふたりはもう気持ちを抑えきれなくなっています。
でも、その抑えきれない気持ちそのものとは向き合おうとはしていません。
なぜなら、その気持ちを認めてしまったらふたりの罪がいよいよ白日の下に晒されてしまいます。
踏み入れてはいけない場所へ足を一歩でも進めてしまったら、何もかも失ってしまうのです。
逃避行を試みた彼ですが、また元の場所へと戻っていってしまうのでしょう。
そしてまた、迷いと葛藤へと飲み込まれていくのです。