あいみょん「愛を伝えたいだとか」

「愛を伝えたいだとか」は2017年5月3日に発売されたあいみょんの2枚目のシングルです。

ファーストフルアルバムの『青春エキサイトメント』にも収録されています。

ある曲に似ているという記事が話題に!?

あいみょん人気を加速させていくきっかけともなった「愛を伝えたいだとか」ですが、

ある記事で椎名林檎の「丸の内サディスティック」に似ている、優れた編曲家によって少女が天才扱いされているように感じると個人的な意見を述べた人がいて、

その意見があいみょんのファンのツイートから本人の耳に入り、本人がツイッターで反応するまでに話題になっています。

あいみょんはこの記事も誰かと音楽の魅力を共有できればと個人の歌詞解釈を述べているだけであるように、「似ている」という個人的な意見を言った記事関しても相手にする必要など全くないはずです。

それなのに、あいみょんが、その記事に対する苛立ちの気持ちを交換し合っていたファン2人に返事のツイートをしたのは、自分を想うファンの気持ちを汲んだからでしょう。

そして、その内容も女性ボーカルが椎名林檎と比べられる時代が終わらないが素晴らしい人だから比べられても困る、プロの編曲家がついていることはとても幸せなことだと思っているというような内容で、素直で好感が持てますね。

MVやパフォーマンスとしてはクールな表情を見せながらも、ファン想いで音楽に対しては負けず嫌いで熱い一面も持つあいみょんの姿が垣間見えたエピソードでした。

さて、その記事は結局椎名林檎の優れた音楽性を伝えたいというような関記事だったので、この記事ではあいみょんの「愛を伝えたいだとか」についてがっつり歌詞解釈し、その魅力に迫ります。

あいみょん「愛を伝えたいだとか」の歌詞解釈

唯一無二の声にグルーヴィーなトラックがたまらない一曲ですが、この曲の魅力はあいみょんの独特の切れ味を持った視点で紡がれた男性目線の歌詞でもあります。

死をテーマに据えた楽曲や、インパクトの強い言葉の楽曲のイメージが強い人は特に、「愛を伝えたいだとか」は日常的に使うような言葉で、男性目線の恋愛感情が描写され、新たなかっこよさや情感を演出している歌詞から新たな魅力に気づかせられるかもしれませんよ。

君の"愛してる"が聞きたいのは、眠れない夜じゃなくて健康的な朝

健康的な朝だな
こんな時に君の"愛してる"が聞きたいや
揺れるカーテン
少し浮いた前髪も
全て心地いいさ

それに割れてしまった目玉焼き
ついてないなあ
バランスをとっても溢れちゃうや
少し辛くて 少し酸っぱくて
甘ったるかったりさ

とりあえず今日は

出典: https://www.youtube.com/watch?v=9qRCARM_LfE

眠れない夜に会いたくなるという歌詞はよくありますが、この曲の始まりの舞台は部屋の中に爽やかな風がカーテンを揺らして、朝日が差し込んでいそうな「健康的な朝」です。

また、目玉焼きを焼こうと思ったら破れてしまい、バランスを取ろうとしてもなかなか綺麗になってくれない様子に、自分の恋の様子を重ねていることから、

「"愛してる"が聞きたい」と思う相手は結婚して毎朝食事を作って欲しいような相手。

そして、「少し辛くて」からの描写でわかるように、喧嘩したり距離が離れてしまう時もあれば、甘やかし合うこともあるような、いろんな感情を味わってきた、付き合いの長い相手だとわかりますね。

それでも一緒に住むほどの関係ではないのは、破れた目玉焼きのように、何らかの理由で「バランス」が取れていないからだとわかります。

それでも、「僕」は「君」しかいないと思っているのでした。

本当は愛を伝えたいけど、君に似合わない僕

バラの花に願い込めてさ
バカな夢で踊ろう
愛を伝えたいだとか
臭いことばっか考えて待ってても
だんだんソファに沈んでいくだけ
僕が明日いい男になるわけでもないからさ
焦らずにいるよ
今日は日が落ちる頃に会えるの?

出典: https://www.youtube.com/watch?v=9qRCARM_LfE

前の歌詞で「君」との関係がうまく行っていない理由は、「僕」が家のソファで君が来るのをいつまでも待っているような男だから。

「僕」自身も「明日いい男になるわけでもない」と自分のダメさ加減とそう簡単には変われないのを認めているのがわかります。

もしかしたら「僕」は人間的にだったり、経済的だったり、あまり自分に自信がないのかもしれませんね。

それでもどこかでバラの花束を持ってプロポーズしてみたいなんて自分には似合わないと思いながらも考えているのです。

しかし、そんなことを考えていても現状は変わらず今日も「君」をただ「ソファ」で待っているのでした。

「今日は日が落ちる頃に会えるの?」という歌詞から、「君」は働いている女性だとわかりますね。

おそらく、働かないでダラダラしている「僕」と働いている「君」と、そういった意味でもバランスが取れていないのかもしれません。

ソファで「君」のことを考え続けている「僕」の姿には、健気さや可愛らしさを感じてしまう女性もいるかもしれませんね。

世知辛い世の中で、経済的にも自分に自信がないと、プロポーズなんてできない、厳しい現実も反映されているのかもしれません。

自分のダメなところに惹かれているという君の余裕がまた悔しい

"完璧な男になんて惹かれない"と
君が笑ってたから悔しいや
腐るほどに話したいこと沢山あるのにな
寂しいさ

結局のところ君はさ
どうしたいの?
まじで僕に愛される気あんの?
雫が落ちてる
窓際目の際お気に入りの花

とりあえず今日は

出典: https://www.youtube.com/watch?v=9qRCARM_LfE

前の歌詞で「明日いい男になるわけでもないから」「焦らずにいる」という歌詞がありましたが、

実際には「いい男」になりたいと思っている「僕」。

しかし、大好きな「君」に「完璧な男になんて惹かれない」と言われてしまうと、せっかく頑張って変わろうとしている気持ちも萎んでしまいますね。

本当は「君」が来るのを待っているばかりの男ではいたくないのに、そうでなくなったら「君」は「惹かれない」というのです。

そして、寂しい気持ちを吐露したり、「君」の気持ちを試すような言葉で詰めることなんて「君」に捨てられたくない「僕」はできるはずもない。

「雫が落ちてる 窓際目の際お気に入りの花」というのは「君」を待って涙を流しているだけの「僕」を表しているのでしょう。

つまり、花瓶の花が枯れたら捨てられるように、飽きたりしたらすぐに捨てられてしまう、今だけの相手。

花は花でも愛を伝えるための大輪のバラの花束とは大違いですね。

こんな風に「君」に思われていることを考えると「僕」が待つだけの男ではなくなり、本気で愛を伝えたら、重いと言われて捨てられてしまうのでしょう。

「君」が相手にも困らないようないい女なのはわかりますがなかなか酷いですよね。