日本古来の「わびさび」文化

日本人本来の価値
刻まれた遥か昔
世は儚げ もののあはれ 時の流れとはいとをかし
日本人古来の価値
昔を懐かしむ歌詞をうたい
わびしさの中のわびを伝え
そして、さびしさの中のさびを伝える

出典: かいこ/作詞:R-指定 作曲:DJ松永

日本で古くから尊重されてきた「わびさび」という考え方。

古きにネガティブなイメージを持つのではなく、その儚さに美しさを見出すという文化です。

これこそ「味」といえますね。

新商品などの新しいことで溢れかえっている現代では、ついつい忘れそうになる考え方ではないでしょうか。

変化にあらがってはみたけど…

俺ら 劣化 退化 悪化 老朽化
でも消去しないでMr.コンピューター Hey Hey
劣化 退化 悪化 老朽化
でもショートしないでGo to the future

とめどなくチクタク 時計は回る
世間の千変万化に目が回る
やがて経年変化 ヤキがまわる
全て楽しんでこそ上級者 Hey Hey

ふらついて、よろめいて、ころんで…
気がつけばまた空が白んで

出典: かいこ/作詞:R-指定 作曲:DJ松永

この楽曲の総集編のようなパートですね。

目まぐるしく変わっていく景色。

最初は疎外感を感じ、置き去りにされるのを恐れていました。

ところが「今の状況ですら楽しんで見せる!」というポジティブ思考で変化についていこうと試みます。

頑張って追いつこうとしても、ついていくのに必死な状態。

ついに体力の限界を迎え、転んでしまいました。

これは自分自身の変化にも気づかされる場面なのだと思います。

これぞ「味」

赤茶けて、黒ずんで、黄ばんで…
Monday to Sunday 何遍だってカマゲン

錆びついて、焦げついて、痛んで…
流れ流され時を刻んで

深くまで 味が染み込んで
蔦の絡まり 苔のむすまで

出典: かいこ/作詞:R-指定 作曲:DJ松永

年を重ね、若々しい色合いとは遠ざかっていく姿。

そして自分の感覚や体が衰え、世間とのギャップに胸を痛めてしまう現状。

自分が長い時を刻んでいることを痛感しています。

しかし、最後にはそれを「無理なポジティブ」でも「ネガティブ」でもなく受け入れます。

それは先ほど出てきた「わびさび」の考え方。

何年もかけて成長する蔦や苔は、経年が素晴らしい味を出し、古くから愛されています。

年を重ねた自分の姿も同じように深い味がしみ込んでいる。

Creepy Nutsの表現する「味」に込められた意味合いを解釈してみました。

最後に

【かいこ/Creepy Nuts】歌詞の意味を解説!味のあるものを大切にしていくことの大切さ!の画像

今回ご紹介した「かいこ」という楽曲はいかがでしたか?

Creepy Nutsからこのような「しみじみとした楽曲」が生まれることに、筆者は驚きを覚えました。

というのも、R-指定のMCバトルでの勇ましい姿のイメージが強かったから。

R-指定はラップでお互いをディスるMCバトルという大会に幾度となく出場し、素晴らしい成果を残しています。

その姿は「わびさび」というより「キレキレ」という印象。

彼の人柄の深さを知ることができましたね。

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