ONE OK ROCKって?

ONE OK ROCK【存在証明】歌詞解説!どうすれば存在を証明できるの?もがく思いに寄り添ってみたの画像

日本だけでなく、いまや世界中で大人気ロックバンドONE OK ROCK

パキっとした突き刺すような鋭いサウンドと、圧倒的な歌唱力で多くのファンを虜にしてきた彼ら。

そんな彼らが2008年にリリースしたアルバム感情エフェクト」から、今回はこの楽曲を紹介します。

『存在証明』

アルバム7曲目に収録されているこちらのナンバー。

重々しいサウンドから始まりますが、そこに続くイントロは軽やかな疾走感を感じさせます。

そうはいってもベースにあるのは激しいロックサウンド。

そこにのっかるボーカルTakaのハイトーンが、サビを最大限に盛り上げています。

今回ご紹介する歌詞では、自分の存在を証明したいともがく主人公の姿が描かれています。

そんな主人公の心情が反映されているかのようなサウンドといえるでしょう。

さて、ここからはお待ちかね、歌詞の世界をたっぷりお届けしていきます。

生きている世界の現実

疑心暗鬼の僕

背伸びして見えたもの まだ早過ぎた光景?
見たくはない触れたくはないモノだらけでこわばる感情
正常とは何?聞きたくなるほどに入り乱れた世界に
片足入れたまんま

出典: 存在証明/作詞:Taka 作曲:Toru,Taka

わたしたちが生きている世界、そして人々を取り巻く現実は、すべてがいいことばかりではありません。

むしろ、思い通りにならないことの方が多いくらいです。

主人公もそんな世界・現実を目の当たりにし、思わず顔をしかめています。

きっと彼はまだ世界の本当の姿、現実の厳しさを知らなかったのでしょう。

少しでも大人に近づきたい。そんな純粋な好奇心で背伸びをしてみたら、見えたものはまるで正反対でした。

純粋すぎる主人公には刺激が強すぎたようです。知るにはまだ幼過ぎた…。そう歌っています。

何が正しいのか。何が間違えているのか。

眼前には自分1人で判断がつかないほどに混沌とした世界が広がっている。

いますぐ逃げ出したいけれど、主人公が生きているのはまぎれもなくこの世界、この現実の中です。

完全に逃げることができないながらも、染まることに対する恐れや反発心がぬぐえない主人公。

そんな気持ちがあるからか、もう片方の足は必死に逃げています。

現実から逃げられない片足と、そこから逃げ、踏ん張り、理想の世界へ踏み出すための片足。

主人公がその狭間で揺れ動く様を、人間の両足をつかって表現しているのでしょう。

息苦しい…

How crazy!? 叫ぶ声も溶けては深海へ
Rescue me now!!
呼吸ができる世界に…
そして浅い眠りから僕らを解放へと導いてよ

出典: 存在証明/作詞:Taka 作曲:Toru,Taka

英語詞部分では、「なんて狂っているんだ!?いますぐに救い出してくれ!!」と綴られています。

異変を訴える主人公の叫び声は、どんなに頑張っても届きません。

まるで音のない世界、何も見えない世界に迷い込んだかの如く、彼の意思表示は世界に溶けていくのです。

ますます息苦しさを感じている主人公は、閉塞感のある世界から抜け出したいと助けを求め始めます。

ここでは「理想の世界へ連れて行ってほしい」というわけではないようです。

それよりは「せめて楽に呼吸ができる世界にいきたい」と思っているのでしょう。

周りが変わらなくとも自分の主張がきちんと届くような世界。少しでも閉塞感がない世界。

前半の歌詞から考えると、こんな世界を求めているのだろうと推測できます。

そして最後の歌詞。不安でソワソワ、落ち着かない気持ちを眠りの浅さで表現しています。

理想を追いながら現実を見る

理想の世界に想いを馳せる

夢にまで見たような世界とははたして
いったいぜんたいどんな色や形をしているんだろうか?
想像・空想・幻想・妄想すらここでは役立たず?

出典: 存在証明/作詞:Taka 作曲:Toru,Taka

前半で思い描いていた、主人公にとっての理想の世界。そこに想いを馳せています。

主人公は自分の頭の中で理想の世界を描いていましたが、それが実現することはありません。

だからこそ、実現したときにはどんな世界が広がっているのだろう。

そんな風にイメージを膨らませているのでしょう。

しかし3行目、それは役に立たないのではないか?とバッサリ切り捨てています。

もちろん、根拠もなく考えを放棄しようとしているわけではありません。

理想の世界についてイメージを膨らませることはできても、結局それは想像でしかないのです。

それに、理想の世界はきっと自分のイメージを超えているだろう。

だから役に立たないのではないかと考えたのでしょう。

現実の厳しさを再確認する主人公