覚えていてほしいこと
カリッと音がするほど小指をかんで
痛いでしょ 痛いでしょ 忘れないでしょう
出典: ブーメランストリート/作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
この場面の歌詞が意味するものは「約束」です。
1行目では「ゆびきり」を意味しています。
「昔は約束をするときに指を切って行なっていた」というものを表しているのでしょう。
また、2行目の歌詞を踏まえて考えると「覚えておくためのおまじないのようなもの」だと読み取ることができます。
痛い思いをすることによって、これは危険なのだと体が覚えてくれるのでしょう。
この約束の内容は、最後まで読み進めないとわからないものです。
約束をしたのに
そんなこといったあなたの後姿が
もうやがて見えなくなる 見えなくなる あー
出典: ブーメランストリート/作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
痛い思いをして約束したのに、君はどこかへ行ってしまいます。
そのようなことが読み取れる場面です。
1行目の歌詞は、上記「覚えていてほしいこと」にあった「ゆびきり」になります。
2行目が意味していることは、あんなことを言っていた君がどんどん遠くなっていくということです。
少しずつ遠ざかっている様子が、繰り返される歌詞によって伝わりやすくなっています。
そして2行目の最後にある叫びのようなものは、僕が手を伸ばし君を求めているような姿なのでしょう。
涙をこぼすように
たそがれがブルーのアクセントをつけて
あー あなたが悲しそう
出典: ブーメランストリート/作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
夕暮れの色は「オレンジ」などの暖色が連想されやすいです。
しかしこの場面で注目したいのは1行目にある「ブルー」という反対の色。
明るい色に入る暗い影のような部分は、馴染みやすいものですが目立つものでもあります。
そしてその色は、2行目にある「君の感情」をより強調するような意味も持つのです。
2行目を読み取るとわかるように、僕は「君が切なそう」に見えたのでしょう。
彼女は僕に訴える
離さないと言っているように
ポキッと音がするほどからだを抱いて
熱いでしょ 熱いでしょ 忘れられないでしょう
出典: ブーメランストリート/作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
この場面は、彼女が戻ってきてからの展開です。
上記「どこかへ行ってしまう君」にあった「戻ってくる」という彼の予想が見事に的中しました。
しかし余裕はすでになくなっていて、1行目にあるように「強い力」で彼女を腕に閉じ込めます。
試すようなことをしてしまって、少し後悔しているようにも読み取ることができるでしょう。
「涙をこぼすように」にあった彼女の切なげな姿を見て、いたたまれないような感覚が彼に宿ったのです。
申し訳なさと愛おしさが相まって、彼は欲望が抑えられないと言わんばかりに彼女を求めるようになります。
そのため、彼女が壊れてしまうくらいの力になってしまったのでしょう。
2行目のセリフのような歌詞は、彼女が言っているのです。
このあとの歌詞を読み取るとその意味が理解できます。
僕の心に届いたよ
泣きながらいったあなたの声の重さが
この胸に響いている 響いている
出典: ブーメランストリート/作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
この場面は上記で説明したように、彼女が言っていると確信するシーンです。
1行目にある歌詞を読み取ると彼女が言ったことを深く考えています。
彼女は寂しくてたまらなかったのでしょう。
そんな彼女は、涙ながらに気持ちを伝えてくれたのです。
2行目にあるように、その「声」はとても心に残るようなものだったのでしょう。
また、涙がこぼれた理由は、寂しかったからだけではないのです。
この涙には「私との約束を破らないで守ってくれた」という喜びが込められています。
上記「覚えていてほしいこと」であったような痛い思いをしてまでした約束。
これは「私を離さない」ということ。
つまり、僕は彼女を手のひらで転がしていたのではなく、逆に転がされていたのでしょうか。
そのように読み取ることができます。