GADOROの【背中】に注目!
2017年リリースのアルバム『花水木』収録曲
高校生の頃からヒップホップを愛し、数多くのMCバトルにも参戦してきたGADORO。
2017年にはKOKの王者となり、ラッパーとしての抜群の存在感でファンを魅了しました。
2018年にもKOK連覇を達成し、その後MCバトルからは退いているものの、彼のラップは今も健在です!
そんなハイセンスとハイクオリティを持ち合わせるGADOROの楽曲から、【背中】に注目してみました。
両親への感謝が詰まった感動の1曲を、美しいピアノの伴奏と共にラップで歌い上げます。
【背中】が収録されているアルバム『花水木』は渾身の一枚
収録アルバムは『花水木』であり、2017年にリリースされた彼のセカンドアルバムです。
アルバムコンセプトは「感謝」。
このアルバムについては下記のサイトで詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。
GADORO『花水木』 バトルで名を上げてきたMCが、ハングリー精神に加えて感謝と弱さもさらけ出した〈裸のアルバム〉を完成 | Mikiki
「〈我は泥臭い〉っていう意味でGADOROにしたって周りには言ってるっすけど、実際はそんなこと全然なくて、ただの語呂で。急に思いついたっすね、ホントに」――みずからのMCネームについてこう話してくれた...
【背中】のMVをチェック
ピアノとラップがこんなにも“完璧な1つ”になるのかと驚きます。
バラードなメロディーの中にスネオドラムのビートが心地よく、囁くように優しいラップ。
MVの世界観と、歌詞に込められたGADOROの幼少期からの遡る記憶。
観て、聴いて、涙が止まりません。
私たちが今ここにいることの奇跡は、私たちの両親から始まった軌跡です。
それでは丁寧に、GADOROの想いを紐解いていきましょう。
【背中】に込められた両親への想いとは
【背中】から感じることのできる、自分というものの存在意義。
自分のことを自嘲してはいるものの、言葉の端々からは感謝と愛が伝わってきます。
胸が苦しくなるくらいの感動で、涙すること間違いなし。
ここから【背中】の歌詞を徹底解説していきます!
是非最後までご覧ください。
ハングリー精神だけでここまできたのではないGADOROの生き様を、感じ取っていただけたら嬉しいです。
頭を下げさせた分、頭があがらない母の存在
あんたの腹から俺が産まれたってゆう事は
おそらく何億分の1かのハズレくじだ
そのくじはもう二度と回せないと知りながら
当たりだと信じ俺を養(やしな)ってくれた
それを踏みにじるように貴方から争(あらが)い
仕事よりも無休で不幸にさせたのさ
出典: 背中/作詞:GADORO 作曲:LITTLE D&GOWLAND
ピアノの切ないメロディーからはラップが始まるとは思えません。
その優しいメロディーに乗せて伝えるのは、母への感謝。
母のお腹から生まれた自分を、2行目のように自嘲する歌詞からは何が感じられるでしょうか。
これまでの自分の半生を振り返り、悔いても悔やみ切れない申し訳なさを感じます。
リスナーが母親だったとしたら、このフレーズは特に胸に突き刺さるのではないでしょうか。
我が子が自分のことを「失敗作」のように感じているというのは、心穏やかではありません。
「どうしてそんなこと言うの!」思わずそんな気持ちになります。
親はどんな子供だって、可愛くて愛しているのですから。
自分を卑下する必要はないのに、彼は自分のこれまでの行いからそのように自分を責めているのでしょう。
自嘲の歌詞は、まだまだ続きます。
信じられないくらいの優しさを踏みにじってきた
仇(あだ)すらも恩で返すぶっ飛んだ優しさを
裏切り突き放し罵声(ばせい)を投げ掛けた
骨の髄(ずい)までしゃぶりついた母のスネ
出典: 背中/作詞:GADORO 作曲:LITTLE D&GOWLAND