第6位
BEAT EMOTION(1986)
「自分たちの音楽性を最高の形で表現する」ことに成功し、リリースされた前作アルバム。
この5thアルバムは、それからわずか8カ月後に発表されました。
国内で完結したレコーディングに費やされたのは、わずか18日間でした。
音楽表現の満足度を極めたことから、バンドの解散を前提に制作されたのが本作。
「BEAT EMOTION」は、彼らが東芝EMI移籍前に行ったツアーのタイトルです。
5thアルバム制作時の目標は、「バンド結成時の瞬発力を再現する」ということ。
もう1つは商業的な成功、すなわち「チャート1位」を取ることでした。
ストレートなビートのラブソングが連なる本作は、アルバムセールスで初の1位に。
先行シングル「B・BLUE」もトップ10入りし、のちに「ONLY YOU」もシングルカットされます。
前作アルバムと比べるとアレンジも演奏もシンプルですが、メロディーと歌詞はさらにキャッチーに。
「分かりやすさ」を追求した音作りは、90年代に隆盛を極める「J-POP」に引き継がれます。
本作リリース後、「解散」を意識するメンバーは長期のオフに入ります。
そうした状況にもかかわらず、新たなファンの数は加速度的に増えていくばかり。
考え抜いた末に下されたバンドの決断は、「あと1枚だけアルバムを作る」ということでした。
第5位
PSYCHOPATH(1987)
言わずとも知れた、最後のオリジナルアルバム。
先行シングル「MARIONETTE」とともに、チャート1位に上り詰めました。
制作前の段階で、すでに決定していたのはバンドの解散。
全国のファンの間でも、そんな噂が日増しに強まっていました。
騒乱めいた当時の不穏な状況は、前作とは打って変わってのシリアスな作風にも表れています。
それまでに培った音楽性を集大成したようなアプローチで、多様性に秀でたサウンド。
ダークでデカダンス的な雰囲気も漂い、ビートロックの枠組みを超えた完成度です。
アルバム発売後、ラストシングル「季節が君だけを変える」をリリース。
カップリングには、彼らの代表曲の1つ「CLOUDY HEART」が収められました。
「別れ」を歌うナンバーが選ばれたことで、解散説は、より現実味を帯びるようになります。
第4位
1224 FILM THE MOVIE 2013 ORIGINAL SOUNDTRACK
最初で最後の東京ドーム公演を収めた「LAST GIGS」の後も、彼らの音源は次々に商品化されます。
ただし、その多くはベスト盤や再発盤のようなもの。
未発表の音源や映像を含む「コンプリート」を除き、往年のファンにとって魅力に欠けたのは事実です。
しかし2001年、衝撃作の「1224」がリリースされます。
1987年12月24日の渋谷公会堂、すなわち解散を宣言したライブの模様を収めた映像作品でした。
初のCD化は、2013年に劇場公開された「1224 FILM THE MOVIE」のサウンドトラックとして。
限定発売の前売り券に付属した「1224 LIVE CD」でした。
映像作品と同様、ライブのセットリスト22曲をすべて収録した2枚組。
「DR.FEELMAN`S PSYCHOPATHIC HEARTS CLUB BAND TOUR」で唯一の音源です。
アルバムのタイトル曲「PSYCHOPATH」のスペイシーなアレンジ。
間奏のギターが「ジングルベル」のメロディーを奏でる「BLUE VACATION」。
そして、終盤に向けて緊迫感が増す会場の雰囲気。
「伝説の夜」が記録された歴史的な価値はもちろん、純粋なライブアルバムとしても評価できる作品です。