記憶と情熱をたどる物語
ドラマともリンクする曲
2019年、再集結後初のオリジナルアルバムを発表したTHE YELLOW MONKEY。
「I don't know」はそのリリースに先駆けて、同年の1月に配信リリースされました。
キーワードは二つ
ドラマの主人公は、沢村一樹さん演じる、事故により記憶喪失となった刑事。
その内容が反映されているためか、歌詞の中にも「記憶」に関するワードが散りばめられています。
そしてもう一つ、一曲を通して示唆されるキーワードが「情熱」。
これらの言葉をカギとして、曲が描き出すものを読み解いていきましょう。
なくしたはずの記憶のありか
行き先もわからずに
誰も知らない 暗く長い道
風吹き止まぬ 向かう
出典: I don't know/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
冒頭から、あたりも見渡せず先に何があるのかすらわからない道を行く、この曲の主人公。
「向かう」とある通り、どこかを目指してはいるのでしょう。
しかしその目的地がどこなのかは描写されていません。
ドラマの主人公と同じく、忘れてしまったのでしょうか。
再び触れる、その理由
あの日心に 無理矢理押し込んだ
記憶の中を 触る
出典: I don't know/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
記憶喪失は読んで字の通り、記憶をなくしてしまう状態のことを指します。
しかし実際には、脳の中には記憶が残っているものの思い起こせないという場合もあります。
この曲で描写されているのは、「無理やり押し込んだ」記憶。
つまり、恐らく記憶は脳の中にまだ残っている。
なおかつ、突発的な事故などをきっかけとしたのではなく、自ら強い力で思い起こせないようにしたと考えられます。
それなのに自らその記憶に再び触れようとしているのは、なぜなのでしょう。
情熱はどこへ
消えてしまった、とは思わない
歌詞の少し先に、こんな箇所があります。
あんなに燃えてた炎は消えたの?
出典: I don't know/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉