「君」はもう帰ってこない
二人で過ごした愛の巣は
短い時間だったけど 甘い時間だったと
荷物をまとめて気づけた
oh more 幸せな日々が oh more 溢れてきたんだ
何でもない日がそう ah ah…特別だった
出典: 逢いたくて/作詞:Kumi Koda 作曲:Noritaka Izumi
主人公は「君」と同棲をしていたのでしょう。
たくさんの思い出が詰まった部屋から出ていくことは、主人公にとって大きな決断だったはずです。
「君」と過ごした部屋は、言い換えれば「君」が帰ってくる場所でした。
主人公が別れた後もしばらくその部屋に住み続けていたのは、きっと「君」が帰ってくる可能性を信じていたから。
けれど、もうそんなあり得ない可能性に縋るのはやめたようです。
「君」がこの部屋に帰ってくることはない。
そう言葉にして理解した途端、主人公の胸に「君」と過ごした幸せな記憶が溢れだしました。
思い出したのは何かの記念日などではなく、ありきたりでどこにでもあるような日常です。
そんな平凡な日々が何よりも特別だった。
そのことにもっと早く気付けていたら...。
主人公の中にまた1つ、後悔が増えた瞬間だったのかもしれません。
最後に残った愛情と感謝
数えきれない
「ありがとう」
出典: 逢いたくて/作詞:Kumi Koda 作曲:Noritaka Izumi
たくさんの後悔や未練を乗り越え、最後に主人公の胸に残ったもの。
それは「君」に対する愛情と感謝の気持ちでした。
思い出が心の傷を深くすることもありますが、この曲の主人公にとっては前を向くきっかけになったようです。
「君」がくれた幸せな気持ち。
それを知らずに生きていくなんて、主人公には考えられないことです。
きっと主人公は、生まれ変わってもまた「君」に恋をするでしょう。
最後の「ありがとう」には、主人公の「君」に対するすべての感情が詰まっていました。
「君」を思い出に変えて生きていく
この曲の中で主人公の心から「君」の存在が消えることは、最後までありませんでした。
そしてそれはこの先の未来においても言えることでしょう。
もう会うことのない「君」を思い出に変えて、これからの日々を生きていく。
それが最終的に主人公が出した答えなのかもしれません。
「君」に謝りたい
想い出を並べたらきりがない
どんな時間よりも大切で
本当 ごめんね…。
出典: 逢いたくて/作詞:Kumi Koda 作曲:Noritaka Izumi
この先、主人公が「君」のことを忘れる日はきっと永遠に来ないでしょう。
前を向いて生きられるようになったとしても、ふとした瞬間に「君」の記憶が蘇るはずです。
この曲の主人公にとって「君」と過ごした日々は、大切な宝物のようなもの。
捨てられなくて当然です。
しかし主人公が捨てられない思い出の中には、「君」に対する罪悪感も含まれている様子。
「君」を傷付けてしまったことだけが、今の主人公の胸を重たくしているのでしょう。
もう「君」と会うことはない。
でももし会うことができたなら、一言「ごめん」と謝りたい。
今でも「君」を愛しているからこそ、主人公は「君」を傷付けた自分を許せないのでしょうね。
夢の中でしか叶わないこと
もう一度 両手広げて
もう一度 ねぇ抱きしめて
出典: 逢いたくて/作詞:Kumi Koda 作曲:Noritaka Izumi
ここの歌詞もサビと同じように、主人公の強がりではない本当の気持ちが歌われています。
あえて「もう一度」と最初につけているのは、復縁は無理だと諦めているからかもしれません。
そう思うとなんだか切なくなってしまいますね。
そして主人公は、その「もう一度」さえ叶わないことを痛いほど分かっているはずです。
「君」に会えるのも、抱きしめられるのも、もう夢の中だけ。
心の傷と向きあってからも、失恋の切なさは続いていくようです。