『化身』の歌詞に隠された意味とは?

【化身(福山雅治)】歌詞の意味を独自解釈!"愛の化身"の正体とは?心は本当の幸せに飢え続けている…の画像

『化身』は2009年4月〜7月にフジテレビ系で放送されていた土曜ドラマ『魔女裁判』の主題歌

裁判員制度がテーマのドラマで、鍵となる“魔女”こと柏木鏡子(石田ゆり子)をイメージさせます。

魔女裁判 - 番組情報。

もともとは仏教用語である化身。

仏が俗世の人を救うべく、人の形となって現れることを意味します。

しかし、『化身』の中では愛という抽象的なもの=君の意味です。

本当の愛とは?本当の幸せとは?

誰もが答えを導き出せない世界観を独自解釈していきます。

もの悲しい男の性

ある男の自問自答

【化身(福山雅治)】歌詞の意味を独自解釈!"愛の化身"の正体とは?心は本当の幸せに飢え続けている…の画像

諸行無常っていうじゃない
変わらぬものなどありゃしない
走ること無意味か?そんなもん

さすればこんな世の中で
「本当の幸せ何です?」
生きるたび染みるよそんな文句

出典: 化身/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

タイトルも仏教用語なら、出だしも仏教用語で始まります。

「諸行無常」という言葉は、多くの人が国語の授業で習う『平家物語』でも有名な一説です。

変化しない世の中がないように、愛の形も変化しやすいとでも言いたいのでしょう。

まるで、自分の心に言い聞かせているかのようにも聞こえます。

いいことばかりじゃない世の中で、絶対に出ない答え「幸せとは?」を自問自答しているのです。

答えが見いだせないから、常にモヤモヤとした気持ちでいます。

このモヤモヤを解消してくれるのが彼女(君)です。

ただ慰めてくれればいいんだ

消せぬ後悔も 癒えぬ傷跡も
たしかにあるから
せめて今だけは忘れさせてくれ
キエタイ ニゲタイ アイタイ…

出典: 化身/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

後悔や傷跡を、何も言わずにただ慰めてくれる女性を求めています。

「奇麗事を言わせてもらえば、誰でもいいわけじゃないんだ」と。

求めているのは他の誰でもない君。

何も言わずに「黙って会って抱かせてくれればいい」という心理が働いています。

欲望を満たしてくれさえすれば満足できるかもしれないから。

いま聖女になって抱いてくれ
ふるえる心眠らせて
遊女のように抱かせてよ
汚れた世界を壊して

君は 愛の化身

出典: 化身/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治

君に対して聖女と遊女という対比する言葉を使っているところがポイント。

  • 聖女は汚れのない女性の象徴
  • 遊女は汚れの象徴になりうる女性

彼女には寛大な気持ちで抱いてくれることを願っています。

ところが、自分自身は感情もなくただ抱かせてもらうことを願っているのです。

現状の何に絶望をしているのかとうてい理解ができませんが、いかにも勝手な願いですね。

なぜ彼女にそんなことを求めるのでしょう?

本音では「疲れた心を癒やすのは君しかいない」という心理が働いているからです。

心の穴埋めをするためだけの女性ではなく、愛情を感じ始めています。

会いたいのは君だけ

さまよっても本当の愛にはたどり着けない

合縁奇縁たれぞかれ
結局愛に飢えてます
獣みたく彷徨うこの街

出典: 化身/作詞:福山雅治 作曲:福山雅治