Jupiterの『SHOW MUST GO ON』に込められたメッセージ

Jupiter【SHOW MUST GO ON】歌詞を和訳&解説!奴隷のような人生から立ち上がれ!の画像

激しいだけがメタルじゃない!

心に突き刺さるエモーショナルメタルサウンドでお馴染みのバンド「Jupiter」

今回は新ボーカル・KUZEを迎えて初リリースとなるアルバムから『SHOW MUST GO ON』をご紹介します。

風圧を感じるような迫力のMV

リリックビデオ形式で英語歌詞が表示されるMVは、その歌詞を覆い尽くさんとする眩しい光が印象的です。

そして何といってもKUZEのパワフルな歌声とモーション!

全英詞のこの曲で、彼は力を込めてどんな思いを訴求しているのでしょうか。

今回は『SHOW MUST GO ON』歌詞和訳しながらその意味を解説します!

自分をなくした姿は奴隷?!

何気なく過ごす日常の中で、自分らしく生きていますか?

自信を持って頷いても、この曲を聴くと「慣れ」に支配されているだけなのかも……と不安になるかもしれません。

大切なことは書ではなく心に書かれている

Broken wing
You forget how to sing
Visible bible of black
and Sea of blood
What are you looking at?
I'm worried you

出典: SHOW MUST GO ON/作詞:KUZE 作曲:TERU

和訳

折れた翼

お前は歌い方を忘れてしまった

見えるのは黒い聖書と血の海

お前は何を見ている?

心配だ

【解説】

何かに挫折した様子を歌っているのでしょうか。

「sing」、つまり「歌」と書かれていますが、これは「自己表現」という意味合いがあるのだと推測できます。

自由に飛べなくなってしまったことで、自分自身を表現する方法も忘れてしまったのです。

忘れるほど長い時間が経過したのか、それとも記憶に障害が出るほどのショックを受けたのかは分かりません。

生きる指針とも呼べる聖書は焼けてしまったのでしょうか。意図的に黒塗りにでもされたのでしょうか。

まるで地獄絵図のような光景が広がっているようですね。

翼が折れた「お前」は意思を表すこともできないまま、視線も定まらずにいるのでしょう。

どこを見ているのか、見るという行為をしているのかすら分からない虚ろな瞳が想像できます。

そんな「お前」を主人公は気にかけているようです。

Don't worry about the past
If you're looking for the best
you would looked no further
than the words of our father

出典: SHOW MUST GO ON/作詞:KUZE 作曲:TERU

和訳

過去にとらわれるな

もしもお前が最高の物を探しているのなら

俺たちの父親の言葉に勝るものはない

【解説】

拠り所だった聖書は読めない状態となり、何かが起きても神の言葉から安息を得ることができなくなってしまいました。

しかし、聖書の言葉は過去に印刷された言葉です。

ずっと昔に神が述べたとされる言葉を過去に印字しただけのもの。

大切なのはそれじゃない、と歌っているのではないでしょうか。

つまり、自分の心の中に残っている聖書の言葉、神の言葉こそが自分にとって大切な指針なのだということです。

「父親」とは、もちろん神を示しているのでしょう。

生きていたいなら自分の意思で!

Who would you live for?
Will you want to live?
Where do you want to live?
You're like a slave
Turns our life around before fall to the ground

出典: SHOW MUST GO ON/作詞:KUZE 作曲:TERU

【和訳】

誰のために生きるんだ?

生きたいか?

どこで生きていたいんだ?

お前はまるで奴隷のようだ

地に落ちる前にお前の人生を好転させてやろう

【解説】

自分の意思を持たずに人形のような目で、どこでもない場所を見ている「お前」。

主人公はそこに生きることへの執着が見いだせません。

自分の感情は表に出さず、聖書という「物質」にこだわる姿勢を「奴隷」と表現しました。

この曲は、誰かに与えられた環境で誰かに指示された仕事だけをしている人間について歌っているのではないでしょうか。

そんな「お前」が目も当てられない無様を晒す前にすくい上げるのだということですね。

曲名に潜む二つの意味

『SHOW MUST GO ON』というタイトルは何かの比喩表現のように感じるフレーズです。

確かに「show」をショーとして捉えず、ニュアンスで翻訳される場合が多くあります。

ではこの曲ではどのように訳せば良いのでしょうか。