日本中で「こんにちは」
大ヒットの証を
梓みちよさんが歌った「こんにちは赤ちゃん」。
歌詞の解説の前にこの歌の歴史を振り返ります。
1963年7月、『夢であいましょう』の今月の歌として発表された「こんにちは赤ちゃん」(作詞・永六輔、作曲・中村八大)が大ヒットとなり、同年12月の第5回日本レコード大賞の大賞を受賞。また『第14回NHK紅白歌合戦』にも初出場を果たし、人気歌手としての地位を得た。また同曲は翌1964年3月の第36回選抜高校野球大会の開会式入場行進曲に採用された。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/梓みちよ
大ヒットの証でもある名誉ある賞を受賞、そして紅白歌合戦での歌唱。
その後には選手が入場するマーチにもなったのは、単なる大ヒットではありません。
それほどまでにこの歌が多くの人に愛された証でもあるのです。
空の上から…
2020年2月3日、東京都内の自宅で1月末に死去していたことが公表された。所属事務所によると、出演番組の打ちあわせで1月29日に訪れたマネージャーが、ベッドの上で亡くなっていた梓をみつけたという。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/梓みちよ
残念ながら梓みちよさんの生の声で「こんにちは赤ちゃん」を聴くことはもうできません。
空の上でも「こんにちは赤ちゃん」を歌っているのでしょうか。
10代にデビューをして76歳で逝去をするまで、シンガーであり続けました。
洋楽から和製ポップスに歌謡曲までどんなジャンルもこなせる歌唱力の持ち主。
唯一無二の世界は日本の歌謡界の1ページを飾るでしょう。
歌の目線は…
この世に登場した我が子への第一声が「こんにちは」だった。
命の誕生に素直に思いついた挨拶ともいえますね。
この歌にはこのような逸話が残されています。
本曲は作曲者・中村の第一子生誕をヒントに永が作詞した作品である。本来はそのエピソードから永がパパの心情を歌詞にして、中村にプレゼントした曲であった。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/こんにちは赤ちゃん
我が子の誕生を「パパ」目線で見ている歌詞でもあるのです。
本当なら「パパは私」と歌いたかったかもしれません。
でも目線はパパだけれど、主役は絶対にママなのでしょう。
この「愛情あふれる裏話」もエッセンスにして、歌詞を解説したいと思います。
出会いの時を
まずは、ごあいさつから
こんにちは赤ちゃん
あなたの笑顔
こんにちは赤ちゃんあなたの泣き声
出典: こんにちは赤ちゃん/作詞:永六輔 作曲:中村八大
誕生した我が子との初対面の様子を歌詞にしています。
もしかして名前はまだ決まっていないのでしょうか。
歌がヒットした1963年は検診で性別が判明する時代ではありません。
候補は挙げていても、生まれてきてから決めることがほとんどでした。
だから、まずは「あなた」と呼びかけたのでしょう。
第三者にも使える呼びかけですが、ここではもちろん違います。
初めての出会いに照れているのが感じられますね。
そして本当なら生まれたばかりの赤ちゃんは笑いません。
それでもその表情が「笑顔」に見えるのは、見ている側が笑っているのを表しているのでしょう。
赤ちゃんは「泣く」のが仕事などといわれます。声を上げて泣くのは赤ちゃんが元気である証。
大きな声は「生まれて来たよ」と教えてくれる命の声に聞こえたのでしょう。