If you could see me the way you see yourself
I can pretend to be sameone else
出典: マイルズ・アウェイ/作詞:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills 作曲:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills
「あなたが自分を顧みるように私のことを見てくれるのならば
私は他人のふりをすることなどできない」
遠距離でのお互いの気持ちのすれ違いが歌われます。
そばにいればもっと簡単に分かりあえたかもしれません。
しかし相手の気持ちの動きが少し分からなくなってきました。
本当に私のことを思ってくれているのか自信がなくなります。
そんなことをつらつらと考えてしまう度に愛は少しずつ温度を下げるでしょう。
誰も自分の代わりにはなられません。
私も他の誰にもなることができないのです。
自分の気持ちに正直に生きるしかないのでしょう。
マドンナは恋多き女としても有名ですが、そうしたパブリック・イメージとは違う一途さが透けます。
別離を決める直前に編まれた歌ですので複雑な想いが反映されているもの。
パートナーへの想いと自分はあくまでも自分らしく生きたいという素朴な思いが交錯する場面です。
愛のアリバイ
遠距離恋愛をしている方には福音のように響くかもしれません。
背景には辛い事情もありますので併せて解説します。
スター文化人同士の悲劇
You always love me more
Miles away
I hear it in your voice
出典: マイルズ・アウェイ/作詞:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills 作曲:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills
「あなたはいつでも私をもっと愛してくれている
遠く離れていても
私はそのことをあなたの声で聴くわ」
この後のふたりの別離を思うと非常に切なくなるラインです。
お互いのことが嫌いになって別れた訳ではないのかもしれません。
愛情は別れる直前であってもきちんと存在していたアリバイのようなものがここに反映されています。
遠く離れていても愛は紡いでいくことができるとマドンナは自分自身にいいきかせていたのかも。
単身赴任など遠距離で結婚生活を続ける状況はあまり珍しいものではなくなりました。
しかしこうした条件が増えたとことは幸福なことではないでしょう。
パートナーとの在り方は様々な姿があっていいはずです。
しかしやはり物理的な距離が心にも影響することがあります。
この曲が発表された2008年は今ほどテクノロジーが発展していません。
すでにスマホは登場していてマドンナもガイ・リッチーも使用していたでしょう。
しかし今ほどの万能性はまだなかったはずです。
お互いの距離を埋めるのは仕事の合間を縫って行き交いするしかありません。
カリスマ的なポップ・シンガーと映画監督がスケジュールを調整するのは難しかったでしょう。
一般的な別居家族でも心の繋がりを維持するのは中々大変です。
超有名人どうしのカップルはさらに困難があったのでしょう。
それでもマドンナはこの曲を発表してガイ・リッチーに届けました。
そのこと自体は素晴らしく感動的なことです。
しかしそうでもしないと心の繋がりを維持できないというのはスターゆえの悲劇かもしれません。
距離を超えて愛を紡ぐ
When you're miles away
You're not afraid to tell me
Miles away
I guess we're at our best when we're
Miles away
出典: マイルズ・アウェイ/作詞:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills 作曲:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills
「あなたがはるか遠くにいるときも
あなたは怖れることなく私に話しかけてくれる
遠く離れていてもね
私たちは遠く離れていても上手くやっているって思っているわ」
「マイルズ・アウェイ」とはあまりに切ない言葉です。
愛が生まれたときは四六時中パートナーと一緒にいたいと思っていたでしょう。
仕事が理由であっても距離を挟んでの結婚生活を継続するのは難しいことです。
それでも多くのカップルがこの障壁を乗り越えて生活を続けています。
この歌の発表時にはまだふたりはパートナーであり続けました。
お互いを支え合う健気な想いが歌詞に反映されています。
今、同じようなシチュエーションにあるカップルの皆さん。
このふたりのその後の運命を気にしないで愛を大事に育んでください。
マドンナ自身が誰よりも強くそう願っているでしょう。
離れていてもお互いの思いは通じているといい切れるためには相当な努力が必要です。
PCやスマホなどテクノロジーを最大限有効に使ってお互いの距離を埋める。
そこには基本的な信頼関係が重要でしょう。
離れているからこそ躊躇することなく相手に話しかけること。
その基本的な気持ちこそが愛の正体。
他者を自分よりも大切なものとして思い遣る気持ちが距離という障壁を超えてゆく。
これこそが愛の本質なのです。
そのためにこの「マイルズ・アウェイ」は遠く離れた人同士を結びつける哲学にもなりえます。
マドンナとファンとの距離を超えた愛情など様々な状況にも当てはまる歌になっているのです。
マドンナの悲鳴を聴く
So far away
So far away
So far away
So far away
So far away
So far away
So far away
So far away
出典: マイルズ・アウェイ/作詞:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills 作曲:Madonna T.Mosley J.Timberlake N.Hills
「あまりにも遠すぎる」
この言葉が8回も繰り返されます。
この箇所はマドンナの本音であり悲鳴のように響くのです。
お互いを気遣い合って距離を埋めてもまだ遠すぎる。
この思いに負けてしまうとすれ違いに耐えられなくなるでしょう。
実際の遠い距離をお互いの思いで埋めることができるのは人間だけです。
他の動物たちは遠距離で愛を育むことができません。
人間は想像力を得た存在であるからこそ物理的な距離を埋める愛の力を持っています。
心というものは本当に不思議な奇跡を起こしてくれるのです。
しかし遠距離の寂しさを誤魔化すことができないのも人間であるからかもしれません。
様々な事情や欲求と折り合いをつけながら生きてゆくのは困難を伴うものです。
大西洋を挟んだ愛
あなたへの感謝が歌われます。
愛と心の在り方を見てゆきましょう。