カラオケの定番曲「プラネタリウム」
大塚愛のイメージを塗り替えた作品
カラオケの定番曲としても知られる大塚愛の「プラネタリウム」。
2005年9月21日にリリースされました。
大塚愛のハイテンションでPOPなイメージを、見事に塗り替えた作品ともいえます。
儚げなメロディに乗せられる歌詞の意味はとにかく深いです…。
切なさに胸が締め付けられます。
しきりに「想いは届かない」と歌われているその理由は?
歌詞の深い意味を考察していきます。
星空と「君」
空に「君」がいる?
夕月夜 顔だす
消えてく子供の声
遠く遠くこの空のどこかに
君はいるんだろう
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
夕方に月が見える現象を「夕月夜」といいます。
幻想的な世界が目に浮かびますね。
そして、空に「君」の姿を探している…。
どんな意味なのでしょうか?
この表現から筆者は「空のお星さまになる」という表現を連想しました。
つまり、亡くなった人を美化する表現です。
この世から消え去ってしまったのではない。
空のどこかにきっと存在する。
そう思うことで、切ない気持ちを堪えているのかもしれません。
幸せな思い出
夏の終わりに2人で抜け出した
この公園で見つけた
あの星座何だか覚えてる?
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
「君」との思い出を振り返っています。
家を抜け出したという表現から、まだ2人が子供であることがうかがえます。
そして抜け出したのは夜。
一緒に夜空に浮かぶ星を眺め、無邪気に語り合ったのでした。
星座の名前を確認していることから、何度も2人で夜空を見てきたとも推測できます。
タイトル「プラネタリウム」はここから由来していたのですね。
また、先ほどの「空のお星さまになる」という表現ともリンクしています。
ずっと一緒だから
「花火」が意味するのは?
会えなくても記憶をたどって
同じ幸せを見たいんだ
あの香りとともに
花火がぱっと開く
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
「君」と会うことは叶わない。
なぜならもうこの世にいないから…。
でもせめて「君」の存在を噛み締めたいから、記憶を呼び覚ましています。
「幸せ」だった記憶を思い出すことで「悲しみ」を塗り替えようとしているのかもしれません。
サビに入る前の「花火」という表現が印象的ですね。
夜空一面に広がる花火は感動を与えます。
この楽曲の舞台は「夏の終わり」でした。
子供であることから、「夏の終わり」といえば8月末ごろが連想できます。
そして、通常花火はお盆の祭りに合わせて8月中旬前後に打ち上げられるもの。
8月末に打ち上げられた花火を回想しているとしたら、少し時季外れですね。
ここでの花火は「記憶が走馬灯のように蘇る」「君への気持ちが溢れだす」などの意味が考えられます。
サビへの架け橋としての意味合いでしょう。
「大丈夫」の意味
行きたいよ 君のところへ
今すぐかけだして行きたいよ
まっ暗で何も見えない
怖くても大丈夫
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
今すぐにでも君に会いたい…。
この表現に後追いを連想する声もよく聞きます。
でも、筆者はあくまで気持ちの強さの表れなのだと思いました。
君のところへ行けないからこそ「行きたい」という気持ちがどこまでも膨らんでいるのです。
また、「まっ暗」は夜空だけでなく、自分の心の状況も表現しているのでしょう。
「君」のいないこの世界は光が差さず、「真っ暗」なのです。
でも最後には大丈夫だと歌っています。
どうして大丈夫なのでしょうか?
なぜなら、「真っ暗」でも星になった「君」が見守ってくれているから…。
「君」は亡くなってしまったけど、孤独ではないのです。
思い出の中から見守ってくれています。