「君」がいないという事実
悲しみに染まらないように
数えきれない星空が今も
ずっとここにあるんだよ
泣かないよ
昔君と見たきれいな
空だったから
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
夜空を見ながら2人の思い出を回想しているのでしょう。
「君」がいなくなっても、思い出だった星空はいつまでも変わらずここにある。
そして、涙をこらえています。
本当は悲観的な感情もあって、泣き出しそうなのでしょう。
でも、頑張ってポジティブに考えて泣かないようにしています。
泣いてしまうと心が悲しみで満たされ、君との思い出も悲しみに染まってしまう…。
だからこそ必死に綺麗な思い出を抱きかかえているのだと思います。
現在と過去を重ねる
あの道まで
響く靴の音が耳に残る
大きな自分の影を
見つめて想うのでしょう
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
ここでは現在と過去が交差しています。
過去に「君」と天体観測へ向かった道を歩いているようです。
そして、自分の影を「大きい」と表現…。
幼いころの影に比べて「大きい」のでしょう。
2人で歩いた時の情景が今もなお鮮明に思い出される。
だけど、そこには大人になった自分1人しかいない…。
切ない気持ちが伝わってくる描写ですね。
「君」への気持ちが大きくなる
ちっとも変わらないはずなのに
せつない気持ち ふくらんでく
どんなに想ったって
君はもういない
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
過去に感じたことや記憶が変わることはありません。
でも、思い出すほどに主人公の「君」への想いは大きくなってきます。
愛おしく思えば思うほど、「君」に会うことはできないという事実が突き刺さる…。
「悲しみ」を塗り替えるための行為が、むしろ更なる「悲しみ」を招いてしまいました。
大切な人を失う経験というのは、人生で受けるストレスの中でも特に重たいといわれています。
配偶者や恋人、家族…。
こうした親しい存在の喪失は心のバランスを壊してしまいます。
主人公にとっての「君」は、このような親しい関係性だったのでしょう。
家族のように育った友人、あるいは兄弟…という解釈が一番近いのかもしれません。
届かない想いを星に預けて
主人公にとっての1番
行きたいよ君のそばに
小さくても小さくても
1番に君が好きだよ
強くいられる
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
「小さい」という表現に注目してみましょう。
これには2つの意味が込められていると思います。
まず1つ目は、星になった「君」という意味。
星になって間もない「君」はまだ小さく、微かな光を放っています。
でも主人公にとって「君」は1番星なのです。
1番星とは、最も強い光を放ち太陽が消えるとともに現れる星のこと。
金星がそれに当たります。
2つ目は、主人公の記憶の中の「君」は小さい頃で止まっているという意味。
大人になる前に命を落としてしまったのかもしれません。
小さくても、大きな心の支えになっている。
そんな意味が込められているのだと思います。
星に願いを
願いを 流れ星にそっと
唱えてみたけれど
泣かないよ 届くだろう
きれいな空に
出典: プラネタリウム/作詞:愛 作曲:愛
ここでの「願い」とはどんな内容でしょうか?
君に会いたい。
来世では君とずっと過ごしたい。
そんな切実な「願い」を想像しますね。
流れ星に願うということは、現実では叶うことのない願いなのでしょう。
願うことで再度、涙がこみ上げてきました…。