大丈夫じゃなくて当然の社会
貧乏クジ引いたわけじゃないんだよ
優しさの真似事のエゴでも
出会えたら 無くさないように
出典: 透明飛行船/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
変な方向に傾いてしまっている現代社会。
理不尽に人が傷つけられ、犠牲が出るまで誰も気付かないのです。
辛くても、それが当たり前だと言いくるめられる。
助けを求めることで「格好悪い」と「弱い」と見下されてしまう。
「平気なふり」がおかしな方向に義務化されてしまっています。
「大丈夫と思えない私がおかしいんだ。」
そんな風に思ってしまう人も沢山いるのではないでしょうか。
この歌詞は、そんな人へ向けたメッセージ。
「心配しないで、平気なふりができなくて当たり前なんだよ。だって本当に辛い世界だから。」
「あなただけじゃない。みんな同じことを思ってる。」
1人でうずくまっているあなたに、仲間がいると思わせてくれる歌詞です。
最後の2行、もしかしたらあなたの隠れたSOSに気付いてくれる人に出会うかもしれません。
そんな人を「偽善者」「綺麗ごと」なんて思わずに大切にしてください。
差し伸べられた手を握り返すこと。
それが大きな一歩に繋がるかもしれません…。
限界
どうにかやってこられたけど
避け様のない石に躓いて
いつもみたいに起き上がれない
そんな日が遂に来た
出典: 透明飛行船/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
大人になった主人公。
沢山我慢して、辛い思いを全部ため込んで精一杯乗り越えて生きてきたのでしょう。
けれどいつか心の中は「平気なふり」で行き場をなくした黒いもので溢れかえる。
傷口から血が溢れ出るように、ドクドクと絶えず流れ出てくるのです。
心の限界です。
どうやっても切り抜けられなくて、どうしたら良いか分からなくなってしまうのです。
これ以上は抱えきれないと、身体と心が拒否反応を示して、だるくて重い、動けない。
そんな経験ありませんか?
大切なのは、ため込まないこと
素直だったあの頃
ずっと平気なふりに頼って
嘘か本音か解らなくて
もっと上手に生きていましたか
飛行船が見えた頃の事
出典: 透明飛行船/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
自分を取り繕いすぎて、本当の自分の心が分からなくなる。
そんな時ふと思い出すのです。
鉄棒で失敗して、みんなの前で「平気なふり」をした少年時代。
あの頃はきっと、今より上手に自分をコントロールできていたはずです。
心のコントロール
あの時どうした
ほら 思い出してよ
君は ひとり こっそり 泣いたでしょう
帰り道 夕焼け 宮田公園で
なんか怖かったお社が その日は心強かった
出典: 透明飛行船/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
得意だった鉄棒に足がすくんでしまった。
主人公は悔しくて、けれど誰にも弱みを見られたくなかったのです。
できるものができなくなった喪失感と悔しさで胸がいっぱいになる。
この頃の主人公もみんなの前では「平気なふり」をしています。
けれど心の中は大人の主人公より、うんと素直でした。
誰にも見られない場所で、辛い気持ちを涙と一緒に流し出していたのです。
大人になるといつの間にか、吐き出すことを忘れてしまう。
だからどんどん心の中が重たくなって、いつか身体も心も壊れてしまうのです。
最後の2行、ここで実在する場所が出てきます。
ここまでピンポイントでリアルな場所が登場するのは、きっとこの話が実話だから。
恐らくこの曲は、藤原基央の実体験なのでしょう。
大切なこと
みんなが一緒
もう精一杯 精一杯 笑ったでしょう
皆も あの子も 笑っているでしょう
たまに本気で 泣いているでしょう
大丈夫 もう一回 笑えるでしょう
出典: 透明飛行船/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央