日本の音楽シーンに新しい風を吹かせるバンドmol-74
近年インディーズバンドシーンで着実に力を付けてきているmol-74。
彼らの奏でる音楽は実に叙情的で、J-ROCK界に置いてはちょっと珍しいぐらいその部分に傾倒したサウンドが特徴です。
ボーカルの武市が言うにこれはバンドをやると言って、結局流行りのギターロックのようなサウンドに落ち着いてしまうことを嫌ってのもの。
このことが興味を海外のバンドに向かせ、コールドプレイやシガーロスといった壮大な世界観を持つバンドから影響を受けたそうです。
そういったバンドのように、情景が浮かび上がってくるような音楽をやりたい。
そんな気持ちから、裏声を主体にした独特の歌い方にも変わっていったとのこと。
最近の日本のバンドの傾向を見ていると、お馴染みのギターロックか、洋楽的な要素を取り入れていてもダンスロック系統が目立ちます。
そんな中に置いて、いわゆるポストロックに寄った歌モノを演奏する彼ら。
mol-74のブレイクは、日本の音楽シーンに新しい風吹かせるような期待を抱かせます。
2018年9月よりアコースティックワンマンがスタート
mol-74は普段はロックのバンド編成にて、シンセなどを用いて独自の世界観を表現しています。
そんな彼らが2018年9月から行っていたのは、なんとアコースティック・ワンマン・ツアー。
普段はロックの編成で演奏している彼らからして、これは音像が大きく変わることを感じさせる試みです。
世界観を何より大切にするバンドにとって音像の変化がもたらすのは…
普通の歌モノなら歌自体が売りなので、アコースティックバージョンもあり。
だけど彼らが売りにしているのは情景が浮かび上がってくる世界観。
バンドでのサウンドメイキングは、曲の命と言ってもいいでしょう。
しかしこの編成はもしかすると、ボーカル、武市のイメージにより近いサウンドなのかもしれません。
というのも武市は曲作りを行うとき、情景を思い浮かべながら、弾き語りの形でイメージを形作っていくのだとか。
そこからメンバーによってバンド形式に肉付けされていくということは、他のメンバーのイメージもそこで加わるということです。
ロックの編成なら、弾き語りからはガラっとイメージが変わります。
そういった意味で、アコースティック編成というのは、より彼の元のイメージに近い音像になっているのではないでしょうか。
ライブ会場、通販限定で初のアコースティック音源をリリース
彼らはこのツアーのライブ会場、またはネット通販限定でアコースティック音源をリリース。
音源としても初のアコースティック編成ということで、こちらも興味をそそられます。
タイトルは「Moonlight」。
収録曲は既出のミニアルバムにそれぞれ収録されている「グレイッシュ」と「瞼」、そして完全な新曲の「Moonlight」の3曲です。
「Moonlight」【通販限定】
1. Moonlight
2.グレイッシュ
3. 瞼
※全曲アコースティック編成
出典: Moonlight/mol-74
新曲ももちろん気になるところですが、既出の曲のアコースティックバージョンというのもファンにとって嬉しい内容。
普段とはアレンジが違う上に入手ルートも限定されているということで、その特別感もまた格別ですね。
普段とは違った編成が物語るバンドの実力
オーディエンスとの距離の近さ、普段は立って演奏している彼らが座っていることに、どこかアットホームな感覚を覚えます。
大きい会場を沸かせることは凄いことですが、実は小さな会場で距離が近いほど、感動させるのが難しいなんて話も。
アコースティック編成でも変わらずに表現できるバンドというのは、そういった意味で実力者であることの表れなのではないでしょうか。
3曲の中から「Moonlight」に注目
今回この中からスポットを当てるのは新曲の「Moonlight」。
「Moonlight」とはよく言ったもので、本当に柔らかな月明かりが差し込んでくるようなイメージの楽曲になっています。
フルのMVは公開されていないので、フルで聴けるのは今のところCDをゲットした人だけということになりそうです。
なるほど、尚更その特別感が高まりますね。