グレーマンのせいにするとき、それは体(てい)のいい言い訳をしているときかもしれません。それを逃げ口上(にげこうじょう)とも言うでしょう。

自分自身を正当化したり、未熟で未完成な自分に対する自分の擁護(ようご)策なのかもしれません。それがいいのか悪いのか。しかし、そうでもしないと自分のちっぽけさやみっともなさが鼻について、辛くて息もできないのかもしれませんね。

自分の非力さを目の当たりにして、自分が情けない、と思う瞬間は誰しも一度はあるはず。そんな自分を叱咤(しった)して高みを目指していける人はそうそういないのです。

そんなとき、自分の弱さや卑怯さを全部グレーマンのせいにしたくなるのは、人間の性(さが)なのかも知れませんね。

尾崎世界観が語る、歌の意味とは?

スペースシャワー列伝〜第八十五巻三面鏡の宴〜』で尾崎世界観は、クリープハイプ楽曲について、次のように語っています。

「聴いてくれる人の意識を変えたいとか思わないですけど、感情を揺さぶることが出来たらとは思っています。ちょっとでも気持ちが動かせられれば。その分長くその人の生活の中に僕らの曲があれば良いなという気持ちでやってます。」

出典: http://rooftop.cc/interview/110704172500.php?page=2

『グレーマンのせいにする』は少なくとも、彼のこの楽曲に対する姿勢が如実に表れていると思います。歌詞がよくわからなくても、あのハイトーンのボイスとギターが奏でる切ないメロディーに心揺さぶられるオーディエンスは多いはず。

まさにこの言葉は、クリープハイプ楽曲作りの神髄に触れるようなものですね。


クリープハイプのライブで盛り上がる曲を紹介!

さまざまな形で楽曲を提供し、ヒットメーカーとして一線を走り続けているクリープハイプ。どこかで聞いたことがあるメロディーやフレーズは、必ずといっていいほどライブでも歌われます

クリープハイプを知り、彼らのライブで決して失敗しない、知っておくべき3曲をご紹介します。

『He is mine』

クリープハイプのライブでは高い確率でオープニングに演奏される楽曲。2010年9月にリリースされたファーストフルアルバム『踊り場から愛をこめて』に納められている一曲です。ライブ来場者のハートをがっしりつかむ疾走感あふれる曲で、歌詞が分かりやすいことに加え、オーディエンスとの掛け合いもあるので、オープニングにはピッタリと言えますね。

『社会の窓』

2013年3月にリリースされたシングル。メジャーデビューして出した2曲目でありながら、1曲目に続きオリコンチャートでトップ10入りした名曲です。世間にクリープハイプを知らしめた1曲であることから、ライブではエンディングで使われることが多い曲です。 切ない歌詞に、思わずほろりと涙が出てしまいそうになるのは私だけでしょうか?

『オレンジ』

MVがシュールなこの曲はのりの良さからアンコールの曲として使われることが多いようです。癖のあるハイトーンボイスをこれでもかというくらい聞かせてくれます。 このバンドを”個性的”というには言葉が足りないくらい。唯一無二の歌声と楽曲と言えそうです。