「発見」を意味するスキマスイッチの17thシングル
爽やかな疾走感と上昇感を味わわせてくれる「ユリーカ」。
日本を代表する音楽ユニット・スキマスイッチの17番目のシングルです。
MVではボーカルの大橋さんが、宇宙を想起させるスクリーンをバックに歌う姿がカッコイイ!
メロディもアッパーなテイストで、聴いているだけでワクワクさせてくれますね。
リリースは2013年ですが、2017年にGRAPEVINEさんによるリアレンジをされました。
「ユリーカ」とは、ギリシャ語で「発見する」という意味です。
古代の数学者・アルキメデスも浮力の原理を発見した時、「ユリーカ(見つけた)!」と叫んだとか。
タイトルの通り、歌詞もまた「あるもの」を発見しようとしています。
いったい何を発見するのでしょうか!?
一緒に歌詞の意味を紐解いていきましょう。
アニメ「宇宙兄弟」OP
「ユリーカ」はアニメ「宇宙兄弟」の2番目のOP曲でした。
兄弟で共に宇宙にいくことを目指す、六太と日々人の物語です。
アニメ化された当時は、原作マンガのリアルな描写とユーモアあふれるストーリーで話題作になりました。
宇宙飛行士になるための試験や、宇宙開発機構のJAXAやNASAの中身を垣間見られます。
もしかしたら、この作品で宇宙飛行士を志した人もいるかもしれません。
「ユリーカ」といえば、六太と日々人の謎ダンスが印象に残っている人も多いのではないでしょうか!?
空を昇っていくように突き出す腕の動きと、輝く星のように両腕をキラキラさせて回る姿は何ともシュールです。
しかし、「ユリーカ」の曲と妙にマッチしているからハマってしまうこと間違いなし。
個性的な「宇宙兄弟」の魅力を最大限に引き出したスキマスイッチ…さすが過ぎます!
「自分」はどこ?
「発見」を意味する言葉の「ユリーカ」。
何を「発見」するのでしょうか?
それは、他でもない「自分自身」です。
自分を発見するとはどういうことなのでしょう。
歌詞には誰もが感じる「自分が分からない」という葛藤が綴られています。
自分なのに自分が見えない
交差点溢れる人の波 絶え間なくすれ違う影法師
自分の輪郭がどんなか 見えない
出典: ユリーカ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
アニメ版ではアカペラでサビの歌詞が挿入されるアレンジがされていますが、シングル盤では入りません。
都会でよく見られる、ビル街の光景が思い浮かぶような歌詞から始まります。
街を行く人々が、ぞろぞろと幾度となくすれ違う何気ない景色。
日光による影なのか、夜の街頭やビルの灯りで作られるものなのか。
ともあれこの影を、「影法師」と呼んでいるのでしょう。
歌詞の主人公である「自分」はその中にいるようです。
しかし行き交う人々は一人一人認識できないのと同じように、自分もまた自分自身のことが分からない様子。
客観視しないと、分からないことも沢山ありますからね。
自分が自分から抜け出さない限り、自分の姿が見えないことと同じです。
自分がどんな人間なのか、自分はどんな考えを持っているのか分からなくなってしまっているのでしょうか。
「自分で自分が分からない」ことは、誰にでもあることかもしれません。
ところがその解決方法は、あまりにも難しいものです。
狭くて弱い自分の世界
本音など決して晒さないで 適当にブラフをバラ撒いてさ
守り続けてきたスペースは 小さくて脆い
出典: ユリーカ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
その場その場でうまく繕って、建前を前面にして人間関係を作ってきたのでしょうか。
自分を出せず、本当の気持ちも言えないまま。
それは自己保身でもあるのかもしれません。
他人から良く思われようと、思ってもいないことを言っていたのでしょう。
ですが、それでは自分が息苦しくなってしまいます。
自分のやりたいことは本当にこれだったのか…、と思った時。
自分が大切だと信じていたものは、あまりにもちっぽけなものに過ぎなかったのでした。
全体を見たって自分はいない
地球儀回しても そこに僕はいない
そんなことしたって結局無意味だ
出典: ユリーカ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ