ネクライトーキーの「北上」

目指せ!東京?

ネクライトーキー【北上のススメ】歌詞の意味を徹底解釈!なぜ北を目指すの?街の先に求めるものを読み解くの画像

自分が今いる場所から北へ向かうことを「北上」。

そして今いる場所から南へ行くことを「南下」といいます。

ネクライトーキーが目指すのはです。

彼らはなぜ、北を目指すのでしょう?

その理由は、彼らの活動場所にあるかもしれません。

ご存知の方も多いと思いますが、彼らは大阪発のバンドです。

大阪ももちろん大都市ではありますが、日本の首都ではありません。

日本の首都であり、あらゆる活動の中心地は東京なのです。

地理的に見ても、東京は大阪より北の方にあります。

つまり「ネクライトーキー」にとって、北上とは東京進出の野望を意味するかもしれません。

東京からさらに北上すれば、東北、北海道と、日本中を席捲することも可能です。

メジャーデビューアルバム収録曲にふさわしい、これからの目標も感じられます。

コミカルなMV

YouTubeでは、「北上のススメ」のMVを観ることができます。

青空の下、叫ぶように歌うもっささんの声が、心をわしづかみにすること間違いなしです。

歌詞には雨の描写が多いのに、MVでは爽やかな晴天が続きます。

見ているうちに心まで晴れてきそうです。

雷雨の中で

現在地は雨

轟く雷鳴がドッシンドッシン
どこぞ近くで聞こえりゃ
ほら外で雨ポツリ
街が色を落とす

出典: 北上のススメ/作詞:朝日 作曲:朝日

先に雷が聞こえ、雨が降り出しました。

夏場のゲリラ豪雨のような情景が目に浮かぶようです。

もっささんは、室内からその様子を眺めているのでしょう。

歌詞の引用3行目で、わざわざ「外では雨が降ってきた」と書いていることから分かります。

また前述の通り、この時もっささんは大阪の街角にいると想像できます。

実際「街」という漢字は、お店が並ぶ通りのことを指す文字だからです。

一方「町」であれば、住宅街などを意味します。

もっささんは住宅街というより、商店街か、商業ビルが並ぶ都会的な場所にいるのでしょうか。

大阪は昔から商業が盛んな場所です。

あえて商店を連想させる方の漢字を使うことで、大阪にいることを暗示しているのかもしれません。

忘れ物

瞬く合間に
ザ―ザ―降りで
傘のこと思い出す
…どっか置いてきた

出典: 北上のススメ/作詞:朝日 作曲:朝日

雷とともに降り出した雨は、すぐに大雨に変わってしまいました。

ちょうどお店を出ようとしたところだったのでしょうか。

もっささんは忘れ物に気づきます。

傘がどこにもないのです。

他にもお店を回ったあとなのでしょうか。

どこに忘れてきたのか思い出せない様子です。

にわか雨ならまだしも、大雨の中を傘なしで歩くのはリスクが高すぎます。

一体、これからどうするのでしょうか。

「間違う」という個性

動けないまま
戸惑っていたい 間違えていたい

出典: 北上のススメ/作詞:朝日 作曲:朝日

忘れ物に気づいたもっささんは、お店の出入り口で立ち尽くしてしまっているようです。

しかし、慌てたり、忘れたた自分を責めている様子はありません。

むしろ、小さなミスを歓迎しているようですらあります。

天然キャラは、もっささんの魅力の1つです。

日常生活の中で「うっかり」することが、もっささんの大きな個性になっているのです。

世間では「完璧」「ミスが少ない」ことを賞賛する向きがあります。

テストは点数が高い、あるいは満点である方が高評価です。

仕事でもミスなく完璧にこなす人が「かっこいい」という目で見られます。

ですが完璧を求めすぎる人には、表裏一体の弱点も生まれる可能性があるのです。

それは、自分にも他人にも厳しくしすぎること。

完璧を追求するあまり、他人の小さなミスも目についてイライラしたりすることもあります。

他人にも、自分と同じ価値観を押し付けがちになってしまうのです。

すると人に冷たい印象を与えてしまい、とっつきにくい人と見られてしまうかもしれません。

反面、うっかりを繰り返す天然キャラの人には、良い面もあります。

それが個性として定着すれば、周りに人が集まってくるようにもなるからです。

誰にでも「どうしても上手くできないこと」があります。

どんなに気をつけても「うっかり」ミスをしてしまったり。

何かを忘れてきてしまうこともあるでしょう。

それが続くようなら、みんなで助け合ってミスを防ぐ体制が生まれる可能性もあるのです。

天然キャラの周りに人が集まり、和気あいあいとした雰囲気が生まれる。

それは天然キャラの個性とも呼べる特性です。

それが人格として根付いている人から天然を奪ってしまったら、無個性になってしまいます。

もっささん、そしてネクライトーキーにとって「間違えること」は重要なのかもしれません。

それが大切な個性、バンドの世界観を構成するものの1つなのですから。

間違いこそが、5人にとっての正解なのです。