チェルシーホテルで幕が閉じていくの
シドとナンシーも恋の被害者だわ
きっとこれで射程距離は堂々圏内
なんて案外見せかけだけ

出典: ちるちる/作詞:れをる 作曲:ギガ

OTOKAKE読者の方は、10~20代の方が特に多いと思います。

なので、ここに登場するシドとナンシー」は遠い伝説の人、もしくは「誰それ?」ではないでしょうか。

これを作詞したれをる自身も20代前半ですし、この名前が出てきたことに筆者は少し驚きました。

れをるは椎名林檎にかなり影響を受けたということですので、その関連かなとすぐ思い当たりましたが。

ここで簡単に「シドとナンシー」について説明しておきます。

シド・ヴィシャスは、1970年代後半に一世を風靡したパンク・ロックバンド「セックス・ピストルズ」メンバー

バンド名は聞いたことがある!という方はいるかもしれませんね。

シドはその2代目ベーシストでしたが、1979年、薬物乱用のため21歳の若さで亡くなります。

ナンシー・スパンゲンはシドの恋人。

シドと暮らしていたチェルシーホテルで刺殺され、その犯人はシドとされましたが真相は未だ不明です。

この二人の破滅的な恋愛をモチーフにした楽曲は、今までにもいくつか存在します。

椎名林檎「ここでキスして。」歌詞内や「シドと白昼夢」というタイトルで使用していますよ。

シド・ヴィシャスの情報が書かれたWikipediaのリンクを貼っておきますので、興味を持たれた方はどうぞ。

同国のパンク・ロックバンド「セックス・ピストルズ」のメンバーとして知られる。バンド解散後、薬物乱用により若くして他界した。そのカリスマと過激なパフォーマンスに人々は魅了され、波乱に満ちた生涯がパンク・ムーブメントの伝説として語り継がれた[3]。

知れば知るほど遠く、言えば何かが散る

※知れば知るほど苦しい
それでもなぜ、知りたいの
秘めた祈り ゼロ距離まで程遠く遠く切ない模様

※※知れば知るほど苦しい
それでもなぜ、知りたいの
言えば散るアンバランスな事情
なんでか君に言えないのです

出典: ちるちる/作詞:れをる 作曲:ギガ

相手のことを知らずにはいられない、でも知れば知るほど苦しい

恋をしたことがある人なら、ほぼすべての人が経験している感情ではないでしょうか。

そして相手に「あなたをもっと知りたい」と告げれば、その想い自体が散りかねない危うさ。

心のゼロ距離までは程遠く、前にも進めず後にも戻れない辛さが、ストレートに響く部分ですね。

環境と心がリンクする

他所見 垣間見 まだ到底無理
どうなの? 度Cも熱暴走気味
低気圧が連れてくる頭痛が痛いの
前線停滞 本日も不履行

出典: ちるちる/作詞:れをる 作曲:ギガ

最初の一行では3つの単語で韻を踏みつつ、他の人に目を向けられない状況を表しています。

二重表現で「頭痛が痛い」と言ってしまうくらい、余裕がありません。

MVには紫陽花が使われていたことから、前線=梅雨前線でしょうか。

この部分は不機嫌な様子がよく表現されているな~と思います。

こちらも伝説のカップル「ボニー&クライド」

【ちるちる/REOL】歌詞から見える恋の形とは…徹底解釈!複雑な心境を見事に表現したちょっと切ない曲の画像

スコープ越しでも直視できなくて
ボニークライドばりの危険すぎる罠
ちるちる届かぬわたしの電波
ぐずってフェードアウト それでいいの

出典: ちるちる/作詞:れをる 作曲:ギガ

シド&ナンシーに続き、またも古いカップルの名前が出てきました。

「ボニークライド」=ボニーとクライド

やはり実在の人物で、1930年代にアメリカ中西部で強盗を繰り返した二人です。

禁酒法と世界恐慌に喘ぐアメリカ国内で、そのアウトロー的な生き方が英雄視されたのでした。

この二人を描いた映画はいくつもあり、その中でも特に有名なのが『俺たちに明日はない』です。

情報が詳しく書かれたWikipediaのリンクを2つ貼っておきますね。

ボニーとクライド(Bonnie and Clyde)は、1930年代前半にアメリカ中西部で銀行強盗や殺人を繰り返した、ボニー・パーカー(Bonnie Parker、1910年10月1日 - 1934年5月23日)とクライド・バロウ(Clyde Barrow、1909年3月24日 - 1934年5月23日)からなるカップルである。

↓こちらは映画『俺たちに明日はない』のWikipediaです。

『俺たちに明日はない』(おれたちにあすはない、原題:Bonnie and Clyde)は、1967年製作のアメリカ映画。世界恐慌時代の実在の銀行強盗であるボニーとクライドの、出会いと死に至るまでを描いた犯罪映画。アメリカン・ニューシネマの先駆的作品として有名。

【ちるちる/REOL】歌詞から見える恋の形とは…徹底解釈!複雑な心境を見事に表現したちょっと切ない曲の画像

ここでいう「スコープ」とは、銃の照準器です。

ボニーとクライドの例えに引っかけているのですね。

「私」から発する「あなたをもっと知りたい」という電波は儚く霧散しフェードアウト。

でも、むしろそれで良いと思っている節があります。

届いてしまったら、想いさえが散ってしまいそうな怖さがあるから。