2人が歩んできた道のり
時は過ぎて
思い出のほとんどは 2人の足跡
歩いて走って立ち止まって
何度も道に迷いここに来た
別れ際の
友よ
出典: 思い出のほとんど/作詞:秋元康 作曲:すみだしんや
そんな日々は今では過去のものとなってしまいました。
そのほとんどが、もう戻ってくることはないのだと知った彼女。
2人の関係が今までずっと順調だった訳ではありません。
ここまで来るのに、様々な困難もあったのでしょう。
しかし、そんなものも乗り越えながら、今まで2人で自分たちの道を切り拓いてきた。
別れが寂しいばかりではなく、困難に立ち向かってきたという自負もあるのでしょう。
そんな日々を乗り越えてきた2人は深い絆が芽生えています。
今では恋人同士のあの感じには戻れない。
元のようにはなれないけれど、友人として彼の進む道を応援したいという気持ちが感じられます。
2人で同じ道を進むことは諦めたけれど、離ればなれになっても良い理解者でいたい。
そんな気持ちさえ感じられます。
時は過ぎて行くもの
月と太陽
カーテンを引いたら
それが合図のように
白んだ朝の陽が脇から
静かに溢れる
出典: 思い出のほとんど/作詞:秋元康 作曲:すみだしんや
彼との長電話の時間は終わり、いつの間にか朝が近づいている。
明るくなりかけている空に、段々と陽が昇りいつの間にか朝の色に街が染まっていました。
カーテンの隙間からその光が入り込んできて、彼女は時の流れを感じているのでしょう。
いつの間にか時が過ぎて、月は見えなくなってしまいました。
彼との時間はもう終わったのだということを、太陽の光が彼女に教えています。
変わっていく今
未来はいつだって
知らぬ間に近づき
大切な今さえ
過去に変えてしまう
なぜ?
出典: 思い出のほとんど/作詞:秋元康 作曲:すみだしんや
夜からいつの間にか明けた空の色。
主人公は、過去と未来へと絶えず流れていく時の流れに思いを馳せているようです。
今という時間も、次の瞬間には過去へと変わっていく。
彼との大切な時間もいつの間にか過去のものになって、今という瞬間に留まれない。
未来へと絶えず近づきながらも、その未来は自分にとって望むものではないかもしれない。
主人公は時の流れに翻弄され、混乱しているのかもしれません。
大切な人との別れ
感謝を伝えたい
だってだって最後くらいは
言いたかった 私(ちゃんと)
ありがとうって…
出典: 思い出のほとんど/作詞:秋元康 作曲:すみだしんや
いつの間にか終わってしまった主人公と彼の関係。
突然に告げられたその別れに対して、まだ受け止めきれていないのでしょう。
想像していた未来とは違う結果になってしまったばかりに混乱している彼女。
混乱の中で、彼へ感謝を伝えることを忘れてしまったことを後悔しているようです。
大好きだった人が自分の元を去ってしまうこと。
それを悲しみながらも、今まで彼がもたらしてくれたものに対してありがとうと言いたい。
2人の信頼関係、特に彼女から彼に対する尊敬の強さを感じる歌詞となっています。
甘えたい気持ちを堪えて
できるなら今すぐに駆けつけて抱きしめて
その胸におでこつけ泣きたいけど
自分で決めた旅立ちの日だから
ここにいるよ
出典: 思い出のほとんど/作詞:秋元康 作曲:すみだしんや
ここには弱音を吐きながらも、強く生きようとする主人公の姿が表れています。
本当は大好きな人の胸で泣いてしまいたい。
けれど、そうすることはできません。
何故なら、この別れも彼女自身が決めたことだからです。
彼女は、彼から別れを告げられた訳ではありませんでした。
自分からその別れを決意したのです。
数え切れない思い出を育んできた大好きな人との別れを決意したその理由は一体何なのでしょうか。