第4位 「フクロウの声が聞こえる」

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2017年9月6日発表、小沢健二の通算20作目のシングル

SEKAI NO OWARIと競演した作品。

競演に関しては賛否分かれましたがライブでのこの曲の神々しさは半端ないです。

久しぶりにスケールの大きな小沢健二らしい歌詞を書ききってくれました

続いて待望されるアルバムにも収録されるはずなので楽しみで仕方がありません。

SEKAI NO OWARIとはニューヨークで交流が始まりました。

シングル「流動体について」でNakajinからアーム付きのフェンダー・ギターを借りています。

いずれ競演することは必然であったのかもしれません

歌詞を見ていきましょう。

行き過ぎた社会を超克する

天を縫い合わす飛行機 その翼の美しさを
チョコレートのスープは映しているよ 枯れ葉と枝 飲みこみつつ
フクロウの声が聞こえる 大きな幹を揺らすプラタナス
いつか絶望と希望が一緒にある世界へ
渦を巻く 宇宙の力 弱き僕らの手をとり 強くなれと教えてくれる
ちゃんと食べること 眠ること 怪物を恐れずに進むこと
いつか孤高と共働が一緒にある世界へ!

出典: フクロウの声が聞こえる/作詞:Ozawa Kenji 作曲:Ozawa Kenji

幻想的なものと現実にあるものを対比させる歌詞の見事さに舌を巻きます。

歌詞の根っこには小沢健二の反グローバル資本主義の姿勢が読み解けそうです。

行き過ぎた資本主義を超克したらこんな未来が訪れるというようなスケッチになっています

とはいえ政治性が凝り固まっている訳ではないです。

もっと柔軟な詩的世界の中で理想を実現させています。

その点がこの曲の歌詞のスケールの大きさと神々しさを担保しているのです

こんな壮大な楽曲は今や小沢健二にしか創りえないのは間違いないでしょう。

この先もライブなどで聴いていたい曲です。

第3位 「ある光」

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1997年12月10日発表、小沢健二の通算17作目のシングル

直後のシングル「春にして君を想う」にシークレット・トラックとして再録されます

隠遁する直前のシングル「春にして君を想う」のラストに収められていること。

このことから「ある光」は小沢健二最後のシングルという扱いになりました。

2017年に「流動体について」でシングルを再び発売するようになるまでの空白は19年間

ファンにとっては永く厳しい時代でした。

ただしこの「ある光」は当時のセールスが奮いません。

そのため市場に出回った枚数が少ないのでプレミアがついています。

今でこそ配信サイトで聴けるようになりましたが一時期は幻のような扱いでした。

小沢健二が線路を降りる直前の心境を率直に歌っています

歌詞を見ていきましょう。

小沢健二が線路を降りる

この線路を降りたら
虹を架けるような誰かが僕を待つのか?
今そんなことばかり考えてる
なぐさめてしまわずに

この線路を降りたら 海へ続く川
どこまでも流れるのか?
今そんなことばかり考えてる
なぐさめてしまわずに

出典: ある光/作詞:小沢健二 作曲:小沢健二

「線路」はおそらく小沢健二が「オザケン」と囃し立てられていたスター街道かなと想います

ファンの購買力が追いつかないくらいに「短冊」と呼ばれる8cmシングルをリリースしまくりました。

「ある光」や「春にして君を想う」はその最期のもの。

駆け抜けてゆく彼を追い続けていた伴走者であるファンにも疲れが見えていた時期です

そして本人も息が続かなかったかのように沈黙に沈みます。

それでも「ある光」は次には希望があるのではと推測する心が根っこにあるので悲観的ではないです。

2018年のライブでは満島ひかりがピンクのストラトキャスターを抱えてファズギターを奏でました

ギャンギャン響くファズギターに小沢健二の疾走するような歌声が乗っかります。

これぞキラーチューン

そんな趣がありました。

ファンにとっても本人にとっても特別な歌です。

第2位 「アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先)」

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2018年2月14日発表、小沢健二の通算21作目のシングル。

映画「リバーズ・エッジ」主題歌で出演者の二階堂ふみと古沢亮がライムで参加。

2018年に行われたライブではこの曲で始まり、アンコールのラストもこの曲で締める構成。

親友である岡崎京子への想いや想い出を歌にしました

冒頭のガット・ギターの音色から涙腺が崩壊しそうになる名曲です。

岡崎京子は周知の通り不幸な交通事故で漫画界から退きますが小沢健二との交流は続きます。

今でもすごい人

小沢健二は岡崎京子をそう評しています

歌詞の中で小山田圭吾への言及があることなども話題になりました。

渾身の想いで書いた歌詞なのだろうと圧倒されます

歌詞を見ていきましょう。

岡崎京子への敬意と愛

日比谷公園の噴水が
春の空気に虹をかけ
「神は細部に宿る」って
君は遠くにいる僕に言う 僕は泣く

下北沢珉亭 ご飯が炊かれ 麺が茹でられる永遠
シェルター 出番を待つ若い詩人たちが
リハーサル終えて出てくる

出典: アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先)/作詞:Ozawa Kenji 作曲:Ozawa Kenji

クライマックスのライムから抜粋しました。

「君」の言葉の深さに驚かされます。

下北沢シェルターは老舗のライブ・ハウス。

詩朗読なども行われていたのでしょうか?

音楽家を詩人と例えたのでしょうか?

どちらでも若さに満ちた素晴らしい光景です。

2018年のライブでは満島ひかりと小沢健二がふたりでこのラインを語っていました。

歌詞に出てくる「虹」というのは2018年のライブ公演の重要なモチーフになります

虹色を表すためにステージ上で満島ひかりがシャボン玉を盛んに吹かしました。

物販ではシャボン玉が売られ、小沢健二のエッセイ集のタイトルは「春空虹之書」です。

小沢健二はライブ公演すべてを岡崎京子の魂に共振するように演出しました

この曲は3分41秒と小沢健二にしては短い曲なのが残念です。

ずっと聴いていたい1曲になりました。

第1位 「天使たちのシーン」

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