「ZOC」=「支配領域」
“共犯者”大森靖子率いるアイドルグループがついにデビュー!
大森靖子を中心として2018年に結成。
グループ名はウォー・シミュレーションゲームなどで用いられる「Zone of Control」(支配領域)の略語「ZOC」に由来。
「孤独を孤立させない」という意味の「Zone Out of Control」と重ね合わせている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ZOC (アイドルグループ)
今回ピックアップするアーティストは全く新しいアイドルグループZOC(ゾック)です。
ようやく彼女たちについて正式に語る機会を与えていただき深い感謝の念を贈りたいと思います。
そう、2018年のグループ結成以来、各界に波紋を広げ続ける“共犯者”大森靖子率いるZOCです!
「Zone of Control」、つまり「支配領域」というオンラインゲーム用語を冠した彼女たち。
個性的すぎるメンバー
忘れはしない2018年9月18日、大森靖子公式HPでZOC始動がアナウンスされたのです。
“孤独を孤立させない”ために自ら“共犯者”としてアイドルグループを築き上げた大森靖子。
彼女が召集したのはミスiDグランプリ経験者という華々しいキャリアとは裏腹に常に孤独を抱えていました。
家庭内不和による元非行少女、地下アイドル、自称「自撮り詐欺のプロ」など個性的すぎるメンバーたち。
そんなZOCがデビューシングルに『family name(家族の名前)』、つまり「姓」と付けたこと。
そこにはアイドルだけでなく「家族」という固定概念さえも覆す意味が込められているのです。
『family name』
まずはリリースに先駆けて公開された『family name』のMVをご覧ください。
イントロからくわえ煙草のZOC-003香椎かてぃがヤバすぎです。
そしてZOCのメンバーそれぞれに与えられた歌唱パートは各自のパーソナリティに即しているのが分かります。
揃いの戦闘服(衣裳)の着こなしは自由気まま、そして不揃いなダンス。
特に注目してほしいのが2番Aメロ後のダンスシーンです。
なぜ彼女たちがあえてグループダンスを不揃いのままに踊るのかがよく伝わります。
ZOC-001藍染カレンは幼少時に培った華麗なバレエの舞を。
「生ハムと焼うどん」時代を彷彿とさせるアイドルダンスを見せるZOC-004西井万理那。
そしてZOC-006兎凪さやかはとにかく「かわいい」を追及した振り付けにこだわります。
なぜなら彼女たちに与えられた使命は1つだけ、「かわいく生きる」ただそれだけなのです。
不格好?OK!歌が稚拙?問題なし!
「私たちはかわいいを追及する、ただそれだけ」
「部屋」から逃げ出した先、彼女たちを待ち受けていた結末とは?
血の呪縛に縛られた少女たち
まず最初に“共犯者”大森靖子がなぜ『family name』というタイトルを付けたのか検証してみます。
『family name』とは姓名の名字を表す言葉です。
つまり多くの日本人が大切にしたいと願う血の繋がりを表しています。
一方でZOCが歌っているのは『family name』の呪縛からの解放です。
家族の絆はもちろん大切でしょう。
しかし世の中にはそんな綺麗ごとで通用しない問題が山積みなのです。
虐待、家庭内暴力、ネグレクト...。
さらに日本国内における殺人事件のほとんどは家族間によるものだとデータが証明しています。
学校にも家庭にも居場所を持てない少年少女はどこに逃げればいいのでしょう?
そんな日本が抱える課題に大森靖子は、ZOCは『family name』で一石を投じたのです。
部屋を出て逃げ出した先は「支配領域」
わけわかんないことでママが怒ってる
安定の不安定に 鍵をしめる
こんなのおかしいね なんで産んだの
手に届くもの全部投げ飛ばした
出典: family name/作詞:大森靖子 作曲:大森靖子
大森靖子は『family name』の歌詞を書くにあたり歌割りにこだわったそうです。
たとえばAメロの1番最初の「ひきこもり」を匂わせるパート。
歌うのは「熊本のワンルーム・ロンリーダンサー」ことZOC-001の藍染カレンです。
誰もが生まれてきたことを心から祝福できるとは限りません。
十代という多感な時期を自宅の部屋で過ごした彼女は常に情緒不安定でした。
だから彼女は部屋を抜け出してミスiDへ、ZOCの支配領域に逃げ出したのです。