何よりも印象的なのはMVの「色」です。
ソフトフォーカスやカラーのフィルターをかけた映像が多用されており、幻想的な雰囲気があります。
色使いとして際立っているのが「紫」と「エメラルドグリーン」。
「紫」は曲のタイトルである「Violeta」にかけていることがわかります。
「エメラルドグリーン」についてはミニアルバム「HEART*IZ」と関係があるのかもしれません。
どういうことかというと「HEART*IZ」には「Violeta」と「Sapphire」という2つのバージョンがあるのです。
「Sapphire」というのは宝石のサファイアのこと。
しかし、サファイアというと色は通常「青」ですし「エメラルド」とは別の宝石ですのでちょっと外れました。
ただ、なんとなく「宝石」を意味する色使いではないかと考えられます。
そしてもうひとつ「ピンク」のフィルターも所々使われています。
こちらはエメラルドグリーンとあわせると配色として美しいので使われているのではないかと思います。
他にも、シャンデリアのある部屋の壁の色なども、配色バランスが良いように選ばれています。
セット
つぎのポイントはIZ*ONEのメンバーが踊っている舞台。
印象に残るのは「シャンデリアのある部屋」と「何もない部屋」ではないでしょうか。
シャンデリアのある部屋は、メンバーの衣装の色とバランスがとれるように壁と床の色がデザインされています。
そして、流して観ると気が付きにくいのですが、奥の方でシャンデリアが2つ床に直置きされています。
床のシャンデリアも点灯していることから、意図的な演出であるのは間違いないですが、意味深ですね。
一方の「何もない部屋」というのはライティングで自在に壁、床、天井の色を変更可能。
紫、エメラルドグリーン、パステルブルーと場面によって雰囲気を変えています。
また、メンバーが個人で映るシーンがありますが、こちらもそれぞれ個性的です。
なかでも印象に残るのは「鏡」、「花園」と「水」でしょうか。
「鏡」はMVの冒頭のシーンの場所です。
とても硬質な感じがしますが、これがその直後に出てくる「花園」のインパクトを強めているのです。
クールでソリッドな印象の「鏡」に対してガーリーでフェミニンな印象の「花園」。
IZ*ONEのダンスにみられる「キレ」とメンバーの「可愛らしさ」を上手く表現しています。
そして、曲の後半から登場する「水」のシーン。
流れる水のなめらかさ(=女性的)と水を跳ねながら踊るダンスのキレ(=クール)でIZ*ONEを象徴しています。
特に水の上で踊るシーンはメンバーがシルエットになっており「かっこよさ」が際立っていますね。
さらにつけ加えるとIZ*ONEのダンスにある「しなやかさ」を表現しているのは「カーテン」のシーンです。
MVの見どころ(その2)
つぎに、メンバーの衣装やアクセサリー、そしてダンスについて触れていきます。
衣装・アクセサリー
「Violeta」のMVではIZ*ONEの衣装が何種類もめまぐるしく入れ替わります。
- カチッとした感じのワンピース風
- ふわふわしたシルエットでレースを使ったもの
- テカリのある素材のタイトスカート
などなど、メンバーの個性に合わせた衣装は見ていて飽きません。
しかも、これらはいわゆる「制服」ではなさそうで音楽番組ではまったく違う衣装のこともあります。
そして特にメンバーが個人で映るシーンで印象に残るのがアクセサリーです。
イヤリング、ブレスレット、リングと、宝石のように綺麗に輝いています。
ただ、これだけある中でネックレスを見かけないのはちょっと意外でした。
※よく見たら、チョーカーらしき物を付けているメンバーがいるかもしれません。
ダンスの時に邪魔になるからかもしれないですね。
「Violeta」はある?
ところで「花園」のシーンや、室内のシーンでも様々な「花」が登場しますがお気づきでしょうか?
どうやら「Violeta」すなわち「スミレ」の花が見当たらないようなのです。
日本のスミレは、全体でも1円玉くらいの大きさの花。
MVに入れようとするには小さすぎると思われます。
「三色スミレ」の別名があるパンジーなら手のひらくらいの大きさなのであっても良さそうですが…。
見た感じだと、パンジーも見つけられませんでした。
もしかしたら、どこかに隠されているかもしれません。
ダンス
そして、IZ*ONEといえばなんといっても「ダンス」です。
オーディション番組「PRODUCE48」でも重視されていたのはダンスでした。
ただ、MVですとカット割りやソロショットなどの関係もあり、全体像の把握は難しいですね。
ここでは韓国「Mnet」の公式YouTubeで公開されているものを紹介します。
※「Mnet」は「PRODUCE48」を放送していた放送局です。
IZ*ONEのダンスは指先まで行き届いたしなやかさと緻密なフォーメーションチェンジが魅力。
Violetaでもその魅力が十分に発揮されています。
幻想的な世界観
以上、ほんの一部ですがポイントを紹介してきました。
Violetaは曲調とあいまって、とても幻想的な世界観のMVに仕上がっています。
鏡や花園、ライティングによる演出が物語っています。
そういえば、ソロショットの場面で時々メンバーが手にしているクリスタル。
形状を見ると「プリズム」のようですね。
太陽の光を通すと虹の七色に分解してくれる物です。
これもMVの世界観を表現する重要なアイテムといえましょう。
なお、ここには書き切れなかったポイントも沢山あります。
ぜひ繰り返し再生して、新しい見所を発見していただければ幸いです。