異彩を放つμ’sの名曲
「HEART to HEART!」のカップリング楽曲
この楽曲は2015年に発売された「HEART to HEART!」のカップリング楽曲として収録されています。
「HEART to HEART!」はアニメ「ラブライブ!」の劇中で主人公の高坂穂乃果が作詞を担当しているものです。
「HEART to HEART!」も「嵐のなかの恋だから」と同様に恋愛をテーマにしています。
雰囲気の違う二つのラブソングを聴き比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
μ’sの中では異色の楽曲
μ’sの楽曲はポップで明るい曲調のものをはじめとして、幅広いジャンルのテイストが盛り込まれています。
その中でも、この楽曲は昭和歌謡的な雰囲気とミュージカル的な要素が入っている異色な存在です。
センターは星空凛と小泉花陽の二人が務め、ダブルセンターもμ’sでは珍しくこの楽曲のみとなっています。
サビではメンバーが一人ずつ歌い繋いでいくのも他の楽曲にはあまりみられない特徴です。
時代の流れに翻弄される恋
嵐の中でも
時代の嵐には 逆らえぬさだめ
それでも恋ゆえに あらがって恋ゆえに
出典: 嵐のなかの恋だから/作詞:畑亜貴 作曲:酒井陽一
歌い出しから、どこか不穏な恋愛模様が想像できます。
その恋は、時代の流れの中では許されないものだったのかもしれません。
現代であれば自由な恋愛は当たり前のことです。
しかし、主人公はそうした恋愛は許されない時代の中で生きていることが伺えます。
そんな状況の中でも、その恋を貫こうとしているようです。
どんな恋の物語が始まるのか、聞く側は一気に引き込まれてしまいます。
諦められない恋
まだ終わりじゃない(あきらめたくない)
ああ禁じられた(想いが高まる)
救いの手は見つからない 祈りをささげても
出典: 嵐のなかの恋だから/作詞:畑亜貴 作曲:酒井陽一
主人公と恋人は、すでに会えない状況になっているのでしょうか。
主人公は二人の仲を引き裂く誰かから、絶対に恋人と会わないように監視されているのかもしれません。
二人の仲が引き裂かれ、会うこともままならない状況になっているように感じられます。
しかし、主人公の恋人への思いは募るばかりです。
どうにかして二人が結ばれる手段がないだろうかと模索していたのでしょう。
その手段は、あとはもう神に祈り、神の救いが差し伸べられるほどの奇跡しか望めない状況のようです。
しかし、どれだけ祈ってもその救いは与えられることはない絶望感が感じられます。
見つめあうほんのひと時さえ
ただ見つめあえる(なにもかも忘れ)
時間が欲しかった(言葉はいらない)
逃げる? だめよ! 叶わないそれぞれの願い
出典: 嵐のなかの恋だから/作詞:畑亜貴 作曲:酒井陽一
主人公と恋人は、最後にちゃんと別れることもできなかったのでしょう。
突然引き裂かれてしまい、一目でも会いたかったと願っていることが読み取れます。
例え言葉を交わすことができなくても、ただ見つめあうだけで二人にとっては十分な時間のはずでした。
言葉を交わさずとも、見つめあうことで互いの気持ちを感じられるほど、強い絆で結ばれていたのです。
しかし、それさえも叶わなかったことへの絶望が漂っています。
もしかしたら、今の状況から二人で逃げ出し駆け落ちすることもできたかもしれません。
しかしそれは非常にリスクが高く、逃げきれないことを知っているのでしょう。
もし逃げてまた捕まったら、今よりもひどい状況になるのかもしれません。
それを思うと逃げることさえ叶わないと諦めていることが読み取れます。