近くて遠い恋人との距離

レミオロメン【電話】歌詞を徹底解説!「電話」が繋ぐ二人の関係とは?遠距離恋愛をリアルに表現した名曲の画像

曲から醸し出される独特の暗い雰囲気が癖になるレミオロメン『電話』。

歌詞自体は暗くないのに、聴いているとなんだか胸に重たい雲が立ちこめたような感覚になります。

しかし、それがまったく不快でない。

むしろこの曲の持つ闇にもっと浸ってみたくなるほどです。

歌われているのは遠距離恋愛をしている「僕」の心情。

電話で話す時の彼女は近いような遠いような、何とも言えない距離にいます。

触れられないけれど、声で温度を感じられる。

しかし、それで心が十分に満たされるというわけでもありません。

雨が降りそうで降らない。

そんな微妙な空模様とよく似た遠距離恋愛の距離感に、共感する人も多いことでしょう。

ライブ映像で感じる光と闇

こちらはライブバージョンの『電話』。

忍び寄るようにして始まるイントロが、この曲の鬱々とした雰囲気をさらに引き立てています。

また会場の照明を全体的に暗くしているのは、雨空をイメージしているからかもしれません。

度々射す光は雷光のようにも、通り過ぎていく車のヘッドライトのようにも見えます。

スクリーンに映し出される映像も抽象的で、明確に何かを表現しているわけではありません。

このモヤモヤとした光や映像こそが、遠くにいる恋人を想う時の心情なのではないでしょうか?

声を聞けば愛おしさが込み上げ、会いたくてたまらなくなる。

言葉では言い表せられない、どうしようもない感情。

それは心を覆う闇であり、同時に愛しい人へと続く光にもなるでしょう。

ライブ映像とともに聴く『電話』は、曲の世界観がより一層広がっていくように感じますね。

愛を言葉にする

この曲の主人公は、遠距離恋愛に不安を抱えながらも懸命に愛を紡いでいきます。

傍にいないからこそ言葉を大切にする。

想いをしっかり言葉にして伝えるというのは、恋愛において最も大切なことなのかもしれません。

恋人と話す大切な時間

こんなに暑い日が続いてる
元気でいるかい? 心配さ
僕は相変わらずだよ

出典: 電話/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

始まりの歌詞は、彼女と電話で話している主人公の台詞でしょう。

言葉の節々から、主人公の優しさを感じることができます。

主人公と彼女は特に用事がなくてもマメに連絡を取り合っているようですね。

遠く離れて暮らしている彼らにとって、電話で話すのはとても大切な時間。

主人公の「相変わらず」という言葉には、きっと彼女に対する変わらない想いも隠されているのでしょう。

相変わらず君に会いたくてたまらない。

相変わらず君のことばかり考えてしまう。

電話をしている時もしていない時も、主人公の頭の中は彼女のことでいっぱいなのだと想像できます。

会いたい時に会えない関係にあるからこそ、相手のことを考える時間が増えていくのかもしれませんね。

会える日はまだ遠い

受話器越しになると照れるけど
そりゃ一緒がいい 当たり前さ
思うほど上手くいかないけど

出典: 電話/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

電話での会話は、直接顔を見て話すよりも恥ずかしかったりするものです。

妙に沈黙が気になったり、話し始めるタイミングがかぶったり...。

そんなことがある度に、主人公と彼女は互いにはにかむような笑みを漏らしているのかもしれません。

想像すると微笑ましい光景ですが、彼らの胸には常に埋められない隙間が空いています。

電話で話せるのはもちろん嬉しい。

だけど本当は君と会って話がしたい。

声だけじゃなく、肌で君を感じたい。

そんな願いが聞こえてきそうな歌詞です。

会いたいと言葉にしなくても、互いにその想いは伝わっていることでしょう。

しかしどんなに願っても、彼らが会える日はまだ遠いみたいです。

離れていても君を想う

遠く遠く 離れ離れ
電話切れない夜もある

闇深く心細く それでも光射し
泣いたり笑ったりさ
別の街に暮らす君よ
寄り添ってやれないが 僕はここにいる

出典: 電話/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太

通話を終了する言葉を、互いに言えないまま時間が過ぎていく。

遠距離恋愛をしたことのある人なら共感できる歌詞ではないでしょうか。

傍にいたなら、そのまま抱きしめて眠ることができるのに。

離れていると、電話を切ってしまえば、そこでもう相手との繋がりも絶たれてしまうような気持ちになります。

いつまでも君を傍に感じていたい。

そんな気持ちから、互いに電話を切れずにいるのでしょう。

不安を感じることの多い遠距離恋愛。

けれど彼らの間には確かな愛が存在しています。

それをここの歌詞では「光」と歌っているのではないでしょうか。

君が不安なとき傍にいてあげられないのは主人公にとっても辛いこと。

それでも「僕はここにいる」。

この言葉はきっと、「ここでいつでも君のことを想っている」という意味が隠されているのでしょう。

絆を信じる