離れていても強い絆で繋がっていたい。
互いにそう思っていても、目に見えない絆を信じるのは簡単なことではありません。
それでも主人公と彼女は、今夜も電話で互いの心を共有しようとしています。
孤独を分け合おう
空梅雨の割には早い台風
そっちもそうだろ?嫌な天気さ
ちょっぴり寂しくもなるね
出典: 電話/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太
季節は梅雨が明けた頃でしょうか。
これから夏本番と思いきや、さっそく天気が荒れるらしい。
それを思うとなんだか気分が落ち込んでしまう。
「君もそうでしょ?」と同意を求めたのは、主人公が寂しさを少しでも紛らわせたかったからかもしれません。
君も自分と同じ気持ちだと分かれば、多少はこの孤独感も薄れてくれる。
離れているからこそ、気持ちの共有が大切になります。
憂鬱な空の下でも君が隣にいれば心は晴れるのに。
そう思ったところで、やはり君は遠く離れた場所にいます。
孤独で繋がっている
夜は 床もドアも壁も
抱えきれないほど広い
風強く 窓が揺れる
受話器でつながって
寝るまで話そうよ
別の街に暮らす君よ
わかっていてほしい
僕らはひとりじゃない
出典: 電話/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太
孤独を感じている時は、いつもの部屋が妙に広く感じる。
そんな経験はありませんか?
1人ぼっちの部屋の寒々しさが「夜は~」からの歌詞で表現されています。
ここに君がいれば部屋は温もりに満ちていたことでしょう。
外の天気は予報通りの荒れ模様で、余計に気分が沈んでしまう。
このままの気持ちで眠りにつきたくはないから、今夜はどちらかが寝落ちてしまうまで電話で繋がっていよう。
そんな会話を2人で交わしたのかもしれません。
台風が来ても、部屋で1人でやり過ごすしかない。
だけど僕らは今、孤独で繋がっている。
その言葉はきっと2人の心の距離を近づけてくれたことでしょう。
離れていても繋がっている
同じ季節を感じることができない
天気予報も 違うくらい 離れてしまったね
まだまだ 暑い日が 続くみたいだよ
出典: 電話/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太
天気予報が違う。それだけで主人公と君がどれほど遠く離れた場所にいるのか想像できます。
台風も過ぎ去って、主人公が住んでいる地域は夏を迎えました。
君が住んでいる場所は違うのでしょうか?
もしかしたらもう、君は夏の終わりを感じている頃かもしれません。
同じ季節を感じることができない。
これは思っている以上に寂しいことなのでしょうね。
不安に思わないで
晴れ渡り雨少なく それでも潤って
泣いたり笑ったりさ
別の街に暮らす君よ
寄り添ってやれないが
僕はここにいる
出典: 電話/作詞:藤巻亮太 作曲:藤巻亮太
「晴れ渡り~」の歌詞は、季節だけでなく主人公の心情も表しているのでしょう。
君が傍にいなくても、しっかりと前を向いて日々を生きている。
それは君との繋がりを心で感じることができているから。
寂しさで涙を流すことがあっても、君の光はちゃんと届いている。
互いの熱を肌で感じられなくても、心が君の温度を覚えている。
だから遠く離れていても不安に思わないで。
そんな主人公の想いが最後のフレーズに込められているようです。