口から音が出る病気 心臓から花が咲くように
魔法はいつでも 歌う波に乗っていた
出典: Pop Virus/作詞:星野源 作曲:星野源
「病気」を患っているのは君なのでしょうか。もしかすると2人は同じ病気なのかもしれません。
症状は、音を排出してしまうこと。歌ではなく「音」と表現されています。
また、花が咲く様子に例えていることから、ここでは「君」の病気について歌っているのだと考えられます。
心臓の強い拍動に合わせて花びらが開く光景を想像すると、とても美しい音が生まれるような気がしますね。
君には僕にない能力があります。それが魔法です。
花が開くと音が生まれて口から飛び出しますが、1度に1拍だけ。
しかし君が魔法を使うと、まるでブロックが繋がっていくようにして、バラバラだった音が繋がっていきます。
繋がった音は規則性を持って歌になり、音楽になるのです。
つまり彼女は、生み出した音を旋律にする能力を持っているということでしょう。
始まりは炎や棒切れではなく
音楽だった
出典: Pop Virus/作詞:星野源 作曲:星野源
棒切れは魔法のステッキであり、呪文を唱えながら振りかざすと先端から炎が生まれる。
「魔法を使う」ことを想像させる言葉です。
しかし君は、こうした道具を使って音を繋げたわけではありません。
花が開く光景を連想させるぐらい、楽しそうに音を吐きだした君。
楽しみながら音を生み出したからこそ魔法のような力を得たのです。
つまりこの魔法は「音(を)楽(しむ)」ありきということではないでしょうか。
届けるものが「愛」だとしたら?
では少し観点を変えて考えてみます。
君に感染させたいものが「音」=「愛」だとしたらどうでしょう。
見えなくても愛は残る
音の中で 君を探してる
霧の中で 朽ち果てても彷徨う
闇の中で 君を愛してる
出典: Pop Virus/作詞:星野源 作曲:星野源
いくら雑音にまみれた空間にいても、愛を伝えたい一心で探し回ります。
いくら時間がかかっても、霧のせいで進む先の視界が悪くても諦めません。
森の中の老木は長い期間湿気にさらされるとボロボロに崩れていきますが、そうなってしまっても僕は歩き続けるのでしょう。
続く「闇」ですが、ウイルスには面白い性質があります。
また感染したウイルスは細胞内で一度分解されるため、見かけ上ウイルス粒子の存在しない期間(暗黒期)がある。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ウイルス
ウイルスは粒子状ですが、宿主に取り込まれると一度形をなくし、ウイルスが消えてしまったように見えるのです。
この状況は「暗黒期」と呼ばれています。
ということは、もし形をなくしたとしても愛だけは残っている、という読み取り方ができますね。
刻む 一拍の永遠を
出典: Pop Virus/作詞:星野源 作曲:星野源
この1拍は、感染が成立した音。愛が君の中に取り込まれた音ではないでしょうか。
たった1度だけ、1つだけ愛が届けばそれでいいのです。
君を愛する気持ちはこれからずっと変わらないのですから。
永遠を生み出す2人
歌の中で 君を探してる
波の中で 笑いながら漂う
今の中で 君を愛してる
出典: Pop Virus/作詞:星野源 作曲:星野源
彼女が魔法を使って生み出す歌には波があります。
その波に身を任せていれば、きっと君に辿り着けるでしょう。
波に揺られている今、僕の腕の中には君への愛があります。
自分は確かに君を愛しているのだ、と再確認できるのでしょう。
刻む 一拍の永遠を
渡す 一粒の永遠を
出典: Pop Virus/作詞:星野源 作曲:星野源