「くらげP」の通称で親しまれる和田たけあきの代表曲のひとつが「わたしのアール」です。
同じ目的を抱えて屋上で出会った女の子たちの物語が展開されるこの曲は、最後まで聴くとその歌詞の本当の意味が分かります。
そしてその意味に気づいたとき、きっとあまりの切なさ・やるせなさに泣いてしまう人もいるでしょう。
曲調は爽やかで明るいのにその中で描かれるストーリーはあまりにも悲しいもので、聴き終わった後も強烈なインパクトをもって記憶に残ります。
バルーン「朝を呑む」
今最も勢いのあるボカロPの一人であり、シンガーソングライター「須田景凧」としても活動を始めたバルーン。
アップテンポでノリのいい曲調と独特な世界観が印象的な彼の音楽ですが、「朝を呑む」はその中ではやや異色な、ストレートに涙を誘う感動の曲です。
抽象的な表現が並ぶ歌詞は、おそらく少し離れたところへ旅立ってしまった愛する人のことを歌っているのではないでしょうか。
いじらしいほど切なく相手のことを想っている様が、感情を揺さぶるメロディとサウンドに乗せて描かれる名曲です。
Orangestar「快晴」
ボカロ界を彗星のように駆け抜け、多くの人を虜にして活動休止に入っていったOrangestar。彼が最後に残していった曲が「快晴」です。
「夏」を感じさせる爽やかでノスタルジックな曲調が魅力の彼にふさわしい、吹き抜ける風や陽射しの温度まで感じられるような一曲になっています。
その歌詞にはこれまでの思い出をふり返るような言葉と別れのメッセージが描かれていて、最後には再会を約束するような言葉も含まれています。
曲全体が誰もが記憶の中に抱えている懐かしい「夏」を感じさせて、感傷的な気持ちにさせられます。
特にこれまでOrangestarを応援してきた人にとっては、涙すること間違いなしの名曲です。
risou「またねがあれば」
切ないラブソングに定評があり「ボカロ界のback number」という異名も持つrisou(Sori Sawada)。
「またねがあれば」で静かに呟かれる独り言のような歌詞には、去っていく恋人への想いが切なく描かれています。
飾らない言葉で想いを綴って、最後には少しだけ強がって別れようとする様は、哀愁が漂って涙を誘います。
一緒にいる時には、何かを一緒にすることも、感謝を伝える機会も、いつでもあると思ってしまいがちです。
「いつか」と思っていたことが、突然の別れによって叶わなくなってしまえば、後悔としてずっと心の中にとどまり続けます。
メル「ワールズエンド・イヴ」
インディーポップの要素を含んだ音楽性を特徴に持ち、明るくキャッチーな中にも切なさを抱えた曲調が持ち味のメル。
泣ける名曲として人気の彼の代表曲が「ワールズエンド・イブ」です。
その歌詞ではある恋人同士の気だるげな暮らしと、彼らの語る「もし明日世界が終わるなら?」というifの物語が描かれます。そこにはどこか退廃的な空気が漂っていて、その雰囲気の中にいつまでも浸っていたいような気持ちになります。
ゆったりと音の中に沈み込んでいけるような名曲です。
ナノウ「ハロ/ハワユ」
※動画はカバー動画です。
ロックバンド「CIVILIAN」のボーカル・コヤマヒデカズがボカロP「ナノウ」として発表した「ハロ/ハワユ」。
歌ってみた動画や踊ってみた動画で今なお爆発的な人気を誇るこの曲は、センチメンタルで切ない曲調の中で自分への鋭い問いかけを歌っています。
容赦なく問い詰めるようで、最後にはそっと心に寄り添ってくれるような言葉が歌われて、思わずすがって泣いてしまいそうになるような曲です。