カンザキイオリ「命に嫌われている。」は、2017年の夏に公開された途端に凄まじい勢いで再生数が伸びていった曲です。

辛辣な表現から始まる歌詞は、まるで「命を投げている」ような雰囲気すら感じさせます。

そこから長い文章として綴られる言葉には複雑に曲がりくねった葛藤や苦悩が歌われていて、不安定さや危うさが伺えます。

終盤にいくにつれてメッセージ性が強まっていき、最後にくり返される「生きろ」という言葉には圧倒されるような迫力が込められています。

心をわしづかみにして力ずくで揺さぶってくるような、強烈すぎる一曲です。

歌詞に込められた強いメッセージは、誰もが一度は感じながらも言葉にすることは憚っていた気持ちではないでしょうか。

葛藤や苦悩を浮き彫りにして、心をえぐられるような力強さを持つ歌詞に注目して聴いてみてください。

ルワン「あの夏に嗄れる」

ルワン「あの夏に嗄れる(かれる)」は、夏の一風景が浮かんでくるようなノスタルジックな曲です。

子供の頃の夏の夕方、家への帰り道と夕焼け空。この曲を聴いていると、そんな懐かしい景色が思い浮かんできます。

そんな景色の中で描かれる別れの物語は、感情を揺さぶってくる切なさがあります。

冒頭に流れる蝉の声やグラスの中で溶ける氷の音を聴くと、より鮮明に情景が浮かんでくることでしょう。

懐かしさの中に秘められた寂しさや切なさが漂い、夏の夕暮れに聴きたくなるようなじんわりと心に染みる名曲です。

ピノキオP「きみも悪い人でよかった」

ピノキオP「君も悪い人でよかった」は、ピアノの印象的なサウンドから始まる切ないバラードソングです。

歌詞で綴られる何気ない日常の一幕は、その些細な光景の中に込められた溢れるような幸せを感じさせます。

決していい人や立派な人ではなくても、2人はそこに確かに一緒にいて、そこで確かに幸せを感じていた。そんな想いが絞り出されるように語られる名曲です。

wowaka「テノヒラ」

ロックバンドヒトリエのフロントマンとして絶大な人気を誇るwowaka。彼がボカロPとして活動していた時期に残した名曲「テノヒラ」です。

テンポが早く攻撃的な曲調のものが多いwowakaの曲の中では、この曲は異色のバラードナンバーとなっています。

いなくなってしまった大切な人を想うこの曲では、初音ミクならではのハイトーンボイスが感情を揺さぶってきます。

サビの高揚感やその中で描かれる切ない情景が涙を誘う名曲です。

椎名もた「赤ペンおねがいします」

「赤ペンおねがいします」は、10代ながらそのキャッチーでメッセージ性の強い曲で人気を博した椎名もたが最後に公開した曲です。

ダメ出しである「赤ペン」を求めてくる歌詞は、自虐的でシニカルな雰囲気も合って、気だるげな諦めを感じさせます。

そんな歌詞の中に挟まれる「あなたのようになれたなら」という呟きは、たった一言ながら胸を締めつけて吐き出すようなシリアスな響きがあります。

彼が20歳という若さで亡くなり、この曲が亡くなるまさにその日に投稿された曲だということを知ると、その歌詞に込められたメッセージに涙せずにはいられません。

keeno「alternate」

keeno「alternate」は、ある女の子の切なすぎる想いが描かれるラブソングです。

他に好きな人がいる彼の、代替品の恋人として寄り添う女の子。その報われない構図は、タイトルの「alternate(代わり)」という言葉にも表れています。

相手が他の人を好きだと分かっていながら、それでも自分は相手のことが好きで「今だけでも」と想いをかかえて寄り添うその心情を思うと涙せずにはいられません。

感傷的な気分にされる綺麗なメロディが、そんな感動をより刺激します。

keenoは「glow」を処女作として発表して以降、多くの楽曲を発表してきました。

楽曲のどれもが丁寧な言葉選びによる、心にじんわりとしみるような繊細な表現が特徴的です。

さらに、個人で制作した曲の他にも、みきとPとのコラボ楽曲である「kiss」や「同級生」という曲も発表しています。

そちらもぜひチェックしてみてください!

before light
keeno
ワーナーミュージック・ジャパン

mao sasagawa(ex なぎさ)「朝焼け色に染まったこの部屋で」