戦略として一番に上がるのはインターネット。彼の出身母体がそもそもそこだったという事もあるでしょう。中学生の頃から楽曲をネットにアップしていた、というのが彼の世代の常識。カセットにデモテープを仕込んでお偉いプロデューサーの目に止まるのを待つ世界観とは全く違う。
一挙にオーディエンスの前で作品を披露する、作品の良しあしをダイレクトに審査してもらう世界で生きているのです。ある意味、自分の力だけが問われる恐ろしい場所に何気なく足を踏み入れ、大きな潮流まで創ってしまっているのです。
普通はあんまりしませんけどね――コネ無しで飛び込むなんてこと。若いからできるのかもしれません。怖い物知らずといえばそうなのですが、そういう大胆さを勇敢にやる、といった外見ではないところが彼の不思議な魅力のひとつ。
tofubeatsはPhotoの通り、どちらかと言うとおとなしめの「いいとこのぼんぼん」、育ちがいい感じがする好青年なのです。
シャツの着こなしやメガネの趣味、「感じがいい」がしっくりきます。「神戸っぽい」というのがあるなら、まさにそれでしょう。
それは彼の生まれ育った地であり、現在も活動拠点に置いている「神戸」にこだわる姿勢の表れなのかも。
神戸へのこだわり
インターネットでその才能を開花させたという彼の出自にもあるのでしょうが、「神戸にこだわる」というよりも、「自分の創作スタイルにこだわっている」結果、「神戸」から動く必要が無かったと言えるのかも知れません。
一方、インターネットを母体とするアーティストに共通して感じられる「コスモポリタン」としての気質は「神戸」だからこそ培われたと言えそうです。開国のとき世界の窓口となった神戸の独特な雰囲気を幼少の頃から身に付けていたのは事実です。
創作において「東京」にこだわる必要がなく、彼の創作の源になる音と触れ合える環境であれば、楽曲を初めてネットに上げた実家の自室こそ、tofubeatsのオリジン(起源)なのでしょう。
音楽プロデューサーとして
そもそもtofubeatsは何者か。前述のトラックメーカーのほかに、歌手、音楽プロデューサー、DJというさまざまな顔を覗かせます。
音楽プロデューサーとして彼は9nineやlyrical schoolに代表されるアイドル系ユニットへの楽曲提供をはじめ、数多くのアーティストの作品でリミックスを手掛けています。
リズミックでかわいらしい感じの楽曲はアイドル系ユニットにピッタリ
ヒャダインがエビ中を、中田ヤスタカがきゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースしたように、tofubeatsも9nineやlyrical schoolのプロデュース業を行っているのですね。
中高年への訴求力も高い理由
ビッグネームへの楽曲提供もあります。森高千里はtofubeatsのファンを公言するほどです。
’ディスコ’のフレーズを藤井隆に歌わせたり・・・・・・これって現在50オーバーの’マハラジャ’を知る世代人には非常に親近感のあるモチーフ。 彼の両親がおそらくこの世代であることも影響しているのは確かでしょう。
彼の「First Album」のジャケットもなんとなく懐かしい雰囲気がするのも、わたせせいぞうをほうふつとさせるイラストであるからかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?tofubeatsそのものを知らなくても、「この曲、このサウンド、聞いたことある」という人は多いのではないでしょうか。
平成生まれなのにどこか懐かしいサウンドを持ち合わせているのは膨大な音源のインプットが彼に内在しているから。世代を越えて愛されるトラックメーカーの、今後の活躍に目が離せませんね。
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