バンプ初のCMタイアップ曲
2006年発売のシングル
「涙のふるさと」は2006年11月にリリースされた、BUMP OF CHICKENの12枚目のシングルです。
収録されているのは「涙のふるさと」と「真っ赤な空を見ただろうか」の2曲。
両曲とも現在も長く愛されるバンプの名曲として知られています。
「涙のふるさと」は、ロッテ『エアーズ』のCMソングとして使用されました。
CMにはBUMP OF CHICKENの名前はなく、曲名のみが書かれましたが、すぐにバンプの曲だ!と話題になりました。
「涙のふるさと」がバンプにとって初のCMタイアップ曲となり、今までそういったことをしなかったバンプだけにびっくりしたファンも多かったでしょう。
「涙のふるさと」のPVはCMの続き?
山崎貴が監督を務めたPV
「涙のふるさと」は、『ALWAYS 三丁目の夕日』のメガホンをとった、山﨑貴が監督を担当しました。
これは『エアーズ』のCMの演出を担当したのが山﨑貴であり、PV作成にあたって山﨑貴にぜひPVを撮って欲しいとバンプ側からお願いしたことで実現しました。
そのためPVに出演しているのも、CMで出演した堀北真希で、PVはCMの続きという位置付けで制作されたのです。
PVでは制服を着用したメンバーたちが登場し、普段では見ることのできない貴重な映像となっています。
「涙のふるさと」のPVは、PV集「orbital period」に収録されているので、ぜひご覧になってくださいね。
「涙のふるさと」の歌詞を徹底解釈
ぬれた頬を伝う雫の意味
探さなきゃね 君の涙のふるさと
頬を伝って落ちた雫が どこから来たのかを
出掛けるんだね それじゃここで見送るよ
ついていけたら嬉しいんだけど 一人で行かなきゃね
リュックの中には空にしたかな あれこれ詰めたら 重いだろう
そのぬれた頬に 響いた言葉 それだけでいい 聞こえただろう
出典: 涙のふるさと/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
頬を伝って落ちた涙がどこから来たのか、それはきっと悲しい思いを抱えた自分の思いを指しているのでしょう。
なぜ悲しいのか、なぜ涙が出るのか、思いを探す旅に出た君を、僕はここで見送ることしかできない。
一緒に着いていきたいのは山々だけど、それはできない。
これは僕という目線が、君の悲しい思いを知っているから、そして悲しい思いそのものだからなのでしょう。
答えは1番僕が知っているから、必要なものだけリュックに詰めて、自分で思いを見つけに行って欲しい。
僕が君の中にある感情だとしたら、着いていくことができないと言いながら、ずっと側にいるのでしょう。
「会いに来たよ 会いに来たよ 君に会いに来たんだよ
君の心の内側から 外側の世界まで僕を知って欲しくて 来たんだよ」
出典: 涙のふるさと/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
君に会いに来たのは、涙のふるさとそのものであり、君が悲しいと思う原因と存在なのでしょう。
本当は心の奥底で眠っていた思いが、実はこんなに悲しんだ、切ないんだと君に知ってもらうために、涙となって君の元へやってくる。
なんでこんなに悲しくなるのか、なんで胸が苦しくなるのかは、自分自身で見つけて欲しい。
だから気持ちを探すきっかけとして、涙となって僕が現れよう。
なかったことにした悲しい気持ち
見付けなきゃね 消えた涙の足跡
彼の歩いた道を逆さまに 辿れば 着くはずさ
見つめなきゃね どんな淋しい空でも
彼も見てきた空だと知れば 一人じゃないはずさ
逃げてきた分だけ距離があるのさ 愚痴るなよ 自業自得だとう
目的地は よく 知ってる場所さ 解らないのかい 冗談だろう
出典: 涙のふるさと/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
消えた、という言葉から、悲しい気持ちをなかったことにした過去があるのでしょう。
逃げてきた分だけ距離がある、見て見ぬふりをしていた分だけ、知らなければいけない自分の気持ちがそこにはある。
目的地は自分の心の中にある、それは自分が1番知っている場所で、1番親しみのある場所です。
でも、自分の気持ちがわからない今、目的地すらわからない状態なのです。
全てを知っている僕からすれば、冗談だろうと言ってしまいたくなるような、簡単な答え。
そんなこともわからなくなるくらい、悲しい気持ちに蓋をしていたのでしょう。
「会いに来たよ 会いに来たよ 消えちゃう前に来たんだよ
君の涙のふるさとから 遠ざかる世界まで 君に知って欲しくて 来たんだよ」
出典: 涙のふるさと/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央