だめだ、だめだ、今日はやめだ
メロディひとつできやしない
酒だ、酒だ、同じことさ
昼間からつぶれて眠る
出典: 虎/作詞:佐藤良成 作曲:佐藤良成
結局は、そんな状態ではやはり歌を作ることはできないようです。
そして、酒に逃げ、さらに負のループに陥ってしまうダメなミュージシャンが描かれています。
何を見ても何をしても
虚ろな目は死んだ魚
吐き出されたコトバたちが
部屋中溢れて腐っている
出典: 虎/作詞:佐藤良成 作曲:佐藤良成
負のループから脱却できるのか!と期待を持って解釈してみる2番ですが、結局ここでも状態は変わりません。
それを、死んだ魚として表現しています。
しかし、1番の歌詞と見比べてみると、少し比喩の効いた言葉のチョイスになっていることが見受けられます。
このように見方によっては、少し復活気味であるのかなとも考えることができます。
人の胸に残るような
そんな歌がつくれたら
出典: 虎/作詞:佐藤良成 作曲:佐藤良成
そして、1番と同じように多くの人の心に届けたいという音楽への情熱を語っていきます。
負けた、負けた、今日も負けだ
光るコトバ見つからない
酒だ、酒だ、飲んでしまえ
虎にもなれずに溺れる
出典: 虎/作詞:佐藤良成 作曲:佐藤良成
そして、最後の歌詞です。
しかし、結局のところは最後も自分に負けてしまったようです。
自分自身を厳しく律することもできずに酒に再び逃げ、弱い自分を「虎にもなれず」という言葉で表現しています。
本来、虎という動物は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という諺があるほど、獰猛な存在です。
そんな風に牙を向いたり、必死にもなれない自分と、それでも良い音楽を届けたいという葛藤がこの「虎」という歌からは感じ取ることができます。
第一線で長い間活躍しているハンバート ハンバートだからこそ、彼らなりの葛藤があり、決して順風満帆ではないのかもしれませんね。
それでは、次に「虎」が収録されたアルバムなどについて紹介していきます。
リリース情報をチェック♪
アルバム「さすらい記」に収録
「虎」は、2011年1月19日にリリースされた7枚目のアルバムである「さすらい記」の4曲目に収録されています。
冒頭で紹介したMVが公開されたのは2018年です。
ここで不思議なのは、なぜ7年の時を経てMVが制作されたのかということですが、それは後ほど紹介します。
この「さすらい記」は、オリコンチャートでは31位にランクインしており、地道に独自の路線で活動し続けている彼らの努力を感じ取ることができます。
また、何と言っても、このアルバムで触れておきたいのが、13曲目に収録された「アセロラ体操のうた (ハンバート・ランゲージバージョン)」です。
この楽曲は、ニチレイ「アセロラドリンク」のCMソングに起用された楽曲で、独特の言葉のチョイスとダンスがとても印象的で、CMを観たことがある人も多いことでしょう。
このアルバムでは、ボーナストラックとして収録され、フレーズなどを変えたオリジナルとは異なるセルフカバーバージョンになっています。
「虎」もそうですが、印象的な楽曲の切り口や言葉のチョイスが彼らの魅力であり、その魅力が凝縮された1枚になっています。
アルバム「FOLK2」に再収録!
そして、なぜ2018年にMVが制作されたのかという問いの答えになるのがこの1枚です。
この「FOLK2」は、2018年7月25日にリリースされる予定の10枚目のアルバムです。
結成20周年を迎え、渾身の1枚として送り出されるこのアルバムの9曲目に「虎」は収録されます。
そして、「FOLK2」ということは「1」もあるのか?!と気になる方もいるでしょう。
もちろん「1」もあるんです!
「1」はついていませんが、「FOLK」というタイトルで2016年6月8日に9枚目のアルバムとしてリリースされています。
このアルバムは、オリコンチャートで最高21位を記録し、着実にその音楽を世に広めることができているのが分かるような結果を出しています。
「FOLK2」の前作となるこのアルバムは、シリーズの第1作目。
というのも、このシリーズはシンプルな編成のサウンドが特徴なのです。
シンプルと言っても色々ありますが、このシリーズは全くの2人っきり。
まさに「FOLK」がテーマになっておりギター弾き語りのみで構成されているのです。
打ち込み全盛の昨今では、なかなかのチャレンジではないでしょうか。
しかし、ちゃんと結果を残しているから素晴らしいです。
その次回作である「FOLK2」は、さらにパワーアップをしていて、ライブで馴染みのあるピアノやフィドルなども加え、ライブ感も楽しむことができるアルバムに仕上がっているそうです。
さらには、「ひこうき雲」、「小さな恋のうた」、「渡良瀬橋」などのカバー曲も収録されるなど盛り沢山の内容になっています。
また、このアルバムの収録に合わせて「虎」もレコーディングし直し、再収録されるのです。
それだけ愛されている1曲であることが分かります。
そして、このアルバムで特筆したいのは、最後に収録される「おなじ話」のスペシャルバージョンです。
「おなじ話」と言えば、2005年2月23日にリリースされた4枚目のシングルであり、初期の名作です。
オリコン圏外ではありますが、ハンバート ハンバートと言えば、この曲!と言っても過言ではないほどの人気の楽曲がゲストにキセルを迎えた新バージョンで収録されるのです。
これには、ファンはきっと喜ぶことでしょう。
また、初回限定盤には、2017年に行なわれた日比谷野外大音楽堂での「ハンバートハンバート行進曲」の公演の模様が収録されたDVDも付属します。
音源も映像も待ち遠しいですね!