サザンのライブ定番曲「みんなのうた」
今回ご紹介する楽曲は、サザンオールスターズ(以下、サザン)の「みんなのうた」。
最近では人気長寿番組『めちゃ×2イケてるッ! 』のラストをこの曲が彩りましたね!
ミスチルのプロデュースでも知られる小林武史さんを初めてプロデューサーに迎えたこの曲は「ファンのために作られた」とも言われています。
その歌詞は後ほどゆっくり解説させていただきますね。
さて、この曲はこれまで、どんな風にライブを盛り上げてきたのでしょうか?
ライブでは水を使った演出が定番
「みんなのうた」がリリースされる前の1985年、サザンは1度目の活動休止に入りました。
ボーカル・桑田佳祐さんの奥さんでサザンのキーボーディストでもある原由子さんが産休に入り、メンバーはソロ活動に専念することになったのです。
それから3年。
サザンはデビュー10周年となる1988年6月25日に「みんなのうた」をリリース。
この曲はサザンの活動再開を印象付けた曲でもあるのです。
ライブでは紙コップに入った水をオーディエンスへ投げるという演出が定番に。
最近ではホースで水を撒くという演出に変わっています。
この曲が流れたら、びしょ濡れになるのを覚悟しましょう!
「みんなのうた」歌詞の意味を考える
前述したとおり「みんなのうた」には「ファンのための歌」という側面があるといいます。
そこで、野暮にならない程度に!歌詞の意味を考えてみました。
ファンが盛り上がる理由は歌詞にアリ!
愛を止めないで君よあるがまま
揺れる想いを抱きしめながら
Anyway ひとり身の Lonely Girl
出典: みんなのうた/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
「みんなのうた」歌詞に登場する<君>。
これはサザンファンのことだと考えるとわかりやすいですね。
復活を待ち望むサザンファンが抱いていたサザンへの<愛>や、休止中のヤキモキした<揺れる想い>が共感を誘います。
また<Lonly Girl>(意味:孤独な少女)に示されている孤独感も絶妙。
<Anyway>は「とにかく」という意味です。
偽りのシャツにためらいのボタン
時代の流れに身を震わせて
Anyway おぼれてる No No Boy
出典: みんなのうた/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
ここは様々な解釈に分かれる所ですが、活動休止していたサザンを待ち望んでいたファンの描写だろうか、と考えます。
<ためらいのボタン>の付いた<偽りのシャツ>に身を包んで、<時代の流れ>におぼれる人々。
それは「サザンの復活を待つ」という名目の元、心を偽りためらいながら他のアーティストの曲を聴き、サザンのいないミュージックシーンを見届けてきたファンのように見えるのです。
みんなで空高く舞い上がれ
やがて誰の心にも
虹のカーニバル
出典: みんなのうた/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
そんな中、この歌詞からは「戻ってきたぜ!」という声が聞こえてきそうですね!
●この胸に抱いてた
ひそやかな悲しみさえ
遠い夏の孤独な街並みは Blue●
出典: みんなのうた/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
ちょっと飛躍して解釈すると<みんなで空高く舞い上が>って悲しみや孤独も青空へ一緒に吹き飛ばそうぜ!というメッセージさえ聞こえてきそう。
ただ盛り上がるだけじゃなくて、心にある<ひそやかな悲しみ>や<孤独>にも共感してくれる。
さらに、みんなで舞い上がる想いも孤独な想いも共有できる。
それが「みんなのうた」が愛され続ける理由なのではないかと思います。