抱えていた想い
頑張るだけ損じゃん なんとなく察しちゃうじゃん
生まれた時にさ、配られていた手札が
弱かったら終わりだって 先なんて知れてるって 覆せやしないって!
「あ"ー!もーっ!ギターッ!!」
出典: セツナトリップ/作詞:Last Note. 作曲:Last Note.
主人公の心の中にあった不満が吐き出されます。
運命は生まれた瞬間に決められてしまう、それならば努力なんて報われるわけがない。
そんな悲痛な叫びです。
人は生まれてくる場所を選ぶことができません。
容姿、生まれ育つ家の家庭環境や経済状況。
そういった要素ははじめから決まっていて、努力で覆すことはできないのです。
それらに恵まれない人は、恵まれた人に比べて不利な状況を強いられます。
いくらがんばっても差は縮まらず、たどり着ける先もたかが知れている。
恵まれた人たちに勝てるはずがありません。
世の中は理不尽だ。そんな鬱憤をぶつけるように、主人公はギターをかき鳴らします。
得た答え
……わかっているんだ 言い訳だって 手札なんて自分次第なんだ、って
いつまでユメに逃げてるんでしょ? そろそろおはようの時間だろう?
出典: セツナトリップ/作詞:Last Note. 作曲:Last Note.
不満を吐き出した主人公はようやく自分の本心にたどり着きます。
恵まれていないから勝てない、適わないというのは努力をしない言い訳でしかないのです。
そんなことはずっと分かっていました。
努力することは無駄ではありません。自分の頑張りで未来はどうとでも変えられる。差なんて覆せるのです。
いつまでも夢の世界に逃避しては居られない。主人公は前を向く決意をします。
そろそろ現実を見る、目を覚ます時がやってきたのです。
現実と向き合う
目を覚ませ セツナトリップ 飛べないわけない今眩しい現実(Real)にDive!
脇目も振らず逃げずに勝負! 絶対 命題 撤退はしない
覚悟キメて負けず生きるから!!
出典: セツナトリップ/作詞:Last Note. 作曲:Last Note.
主人公は夢の世界から飛び出し、現実と向かい合う決意をしました。
朝日が照らす光に満ちた本当の世界へ。自分の可能性を信じて飛び込んでいきます。
現実がどんなに厳しくてもひたすらに突き進んで、主人公は逃げずに挑んでいくのです。
もう絶対に逃げたりなどしないと心に誓います。
何があっても負けずに、強く生きていく!
その決意を胸に、主人公は力強く未来へと進みはじめたのです。
夢が表すもの
主人公は現実から逃れるように、夢の世界へ深く足を踏み入れていきました。
夢の世界は主人公にとって居心地の良いもの。
ですが、彼女がそこに入り浸っていたのはそれだけが理由ではありません。
心理学者のフロイトは「夢は無意識へ至る王道である」という言葉を残しています。
この言葉のように、夢は人が無意識のうちに抱いている願望を映し出す鏡のような役割を果たしているのです。
主人公は夢を通して、自分がまだ気付けていない心の声を探ろうとしていました。
自分が何に対して不満を抱いているのかを知り、現実へのわだかまりを解消しようとしていたのです。
それは、彼女自身が前へ進むためにほかなりません。
夢への旅を続けるうちに、主人公は無意識に抱いていた自分の心の声、本当の思いを見つけだします。
自分の本当の思いに気付いた主人公は、それによって再び現実へと戻る決意をします。
主人公は始めから、再び現実を生きるために逃避を繰り返していたのです。
最後に彼女が現実へと向き直ることができたのがその証拠といえるでしょう。
「セツナトリップ」は主人公の本当の心を知るための旅だったのです。
その旅の果てに主人公は生きるという覚悟を得ました。
それはどんな現実の荒波にも負けない、決して折れない強い芯となり彼女の未来を支えていくのでしょう。
オススメ作品を紹介
いかがでしたでしょうか。
セツナトリップは小説化もされていますので、興味を持たれた方はそちらもチェックしてみてください。
また違った解釈が得られますよ。
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