スカパラ×尾崎世界観の最強コラボ!
きっかけはギター・加藤隆志のラブコール!
名だたるボーカリストとのコラボ曲を、数多く輩出している東京スカパラダイスオーケストラ。
次に彼らとコラボするのは誰なのか、と楽しみにしている音楽ファンも多いことでしょう。
彼らが今回ボーカルとして指名したのは、あのクリープハイプの尾崎世界観でした。
独特な声色と、多くの人々に響く歌詞の情景が人気のバンド、クリープハイプ。
元々コラボのきっかけは、そんな彼らのファンだったスカパラのギター加藤隆志からのラブコールだったそう。
2015年7月、記念すべき両者のコラボとなった両A面シングルが発売されます。
今回はその中に収録されている楽曲【爆音ラヴソング】について解説致しましょう。
MVも併せてチェックしよう♪
楽曲の歌詞をチェックする前に、ぜひ今作のMVも併せてご覧下さい。
現在公開されているMVは、ショートバージョンのみとなっているのが少し残念なところですが…。
色彩のくすんだ荒野の中で、キスをし続ける1組のカップル。
同じシングルに収録されている【めくったオレンジ】のMVにも登場している2人でしょうか。
その周囲を取り囲むように、スカパラの面々と尾崎世界観が演奏パフォーマンスを繰り広げています。
楽曲のスピード感が伝わってくるようなカメラワークも特徴的ですね。
早速歌詞の内容をチェック!
いつしか2人の愛は冷めて
簡単なゲームだった
めくりあげた後で冷めて
あーいつの間にか
もう うるさいだけ
洩れる声のピッチも
出典: 爆音ラヴソング/作詞:谷中敦,尾崎世界観 作曲:沖祐市
それでは早速歌詞の中身を紐解いていきましょう。
この歌と主体となる人物は、何かが終わった後にそれをゲームのようだった、と表現しています。
2行目の「めくりあげた」という歌詞。
これは同シングルに収録の【めくったオレンジ】から来ているのでしょう。
【めくったオレンジ】は、長い付き合いに終止符を打ったあるカップルの物語を女性目線で歌った曲です。
となると、終わったのは【めくったオレンジ】でも歌われていた2人の物語のことかと思われます。
この曲の歌詞には、一人称となる言葉が存在しません。
ですが2曲の内容が同じ物語なのであれば、【爆音ラヴソング】の主体は物語の男性側とも考えられますね。
とある女性と長い付き合いを続けてきた男性。
しかし時が経つにつれ彼女への思いも冷めてしまったのでしょう。
愛しい人の声もいつしか耳障りになっていった、という内容に読み取ることができるかと思います。
あんなに好きだったのに
もう消えて欲しいなんて
パスワード打ち込めばすぐにまた開く
出典: 爆音ラヴソング/作詞:谷中敦,尾崎世界観 作曲:沖祐市
あんなに愛していた人も、その思いが冷めてしまえばただの友人A。
いえ、もしかしたら友人Aにすらなれないパターンもよくあることでしょう。
彼の場合、相手に「消えて欲しい」とすら思っているようですね。
2人の別れ方は、どうやらあまり円満なものではなかったのかもしれません。
それでも、現代は良い意味でも悪い意味でも便利な時代。
パスワード1つですぐに開くことができるのは、他でもない彼女との思い出です。
手軽に開くことのできる様から、この彼女との思い出が入っているのは私たちのすぐ身近にあるもの。
今あなたも手にしているであろうスマホや、LINEのトーク履歴といったところでしょうか。
2人の物語はつまらないものじゃなかったはずだ!
ドレミファソラシドの中をのたうちまわって
爆音のラヴソングもっと本気出して歌え
単調な繰り返しに虚しく息が切れる
踊りながら悩んでるきみは燃え尽きもしない
出典: 爆音ラヴソング/作詞:谷中敦,尾崎世界観 作曲:沖祐市
音楽の中で苦しそうに転げ回っている、とはどういうことでしょうか。
またその音楽も、次の行でわざわざ「ラブソング」に限定されていますね。
これは分かりやすくいうと、世の中の薄っぺらいラブソングへのアンチテーゼなのではないかと思います。
いわゆる大衆的な世間一般のラブソングに、皆さんは一体どのようなイメージを持ちますか?
愛だの恋だの切ないだの大好きだの、恋愛のプラスの面を描いたり、恋愛が尊いもののように描かれた歌。
そのような音楽が多い印象なのではないかと思います。
ですが実際の生身の人間同士の恋は、そんな尊い感情ばかりではありません。
ぐちゃぐちゃの感情を持ちながら、お互いボロボロになりながら、それでも2人でいることを選んでいる。
そんなリアルな生々しさや本気の熱を帯びたラブソング、それが聴きたいんだ。しかも爆音で。
そのようなメッセージがこのサビには含まれているのかもしれません。
ある種非常に男らしい主張のようにも感じるこのメッセージ。
これはスカパラのメンバーや尾崎世界観、もしかしたらこの物語の男性側の主張なのかもしれませんね。
自分たち2人の物語は、こんなつまらない歌で表せるようなものだったのか。
そのような形で憤っている様子を表現しているのではないでしょうか。