「ビートルズ史上最悪のアルバム」

ビートルズ【イエロー・サブマリン】歌詞を和訳&解説!同名映画の主題歌に?リンゴのボーカルを楽しもう♪の画像

「イエロー・サブマリン」はシングル発表から2年後にオリジナル・アニメになります

ビートルズのメンバーが潜水艦に乗船するアニメーション。

ジョンの次男であるショーン・レノンはこのアニメを観て自分の父親がビートルズだったと知ります

ジョンはショーン・レノンが手のかからない年齢になるまでハウス・ハズバンドとして過ごしました。

いつも家にいるお父さんがあのビートルズのメンバーであったことを知る瞬間の衝撃は大きそう。

またアニメの「イエロー・サブマリン」のためにオリジナル・アルバムが発表されます

しかしビートルズのメンバーはすでにバラバラでやる気がなかったのです。

アナログ・レコードのA面はビートルズの曲ですが、B面はジョージ・マーティンのインストを収録。

超絶的名曲「愛こそはすべて」が収録されている以外はあまり目ぼしい作品はないです。

ジョージ・ハリスンなどは自分の曲が収録されているのに「ビートルズ史上最悪のアルバム」と吐き捨てます

ビートルズのオリジナル・アルバムで唯一、全英・全米とも1位を獲得しませんでした。

屋根裏部屋のベッドの上で

職人気質のリンゴ・スター

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And our friends are all aboard
Many more of them live next door
And the band begins to play

出典: イエロー・サブマリン/作詞:Lennon=McCartney 作曲:Lennon=McCartney

ここで航海の仲間が増えます。

歌詞和訳して解説いたします。

「僕らの友だちも皆乗船しているよ

さらに多くの人が隣のドアで暮らしている

バンドが演奏し始めたよ」

この直後に吹奏楽団の演奏が挿入。

ポールは知人の家の屋根裏部屋のベッドの上でこの曲が思い浮かんだと振り返っています

子どものための曲を創ろう。

それならばボーカルはリンゴだな。

あまりメロディに変化がない方がいいななどと曲作りを進めました。

ジョン・レノンも手伝ってくれたそうです

リンゴはポールの指示通りに平坦な印象のボーカルを録音します。

ビートルズの中では一番人気がないメンバーはリンゴ・スターかもしれません。

他のメンバーは作詞作曲し、リード・ボーカルも自在にできます。

その点、リンゴ・スターはあまり曲作りに参加しません。

ボーカルも他のメンバーと較べると魅力に欠けます。

しかしリンゴ・スターの本職は職人的なドラム・ワークです

特に歌を引き立てるドラミングは音楽界随一の実力があります。

YMOの高橋幸宏のアイドルはリンゴ・スターです。

職人的気質のあるドラマーが好むドラマーこそリンゴ・スターであります

効果音などの秘密

手作り感とアイディア満載の楽曲

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(Full speed ahead,Mr.Bosun,full speed ahead.
Full speed ahead it is,Sgt.
Cut the cable drop the cable
Aye,Sir,aye,Captain,Captain.)

出典: イエロー・サブマリン/作詞 :Lennon=McCartney 作曲 :Lennon=McCartney

この直前にサビのリフレインがあります。

重複になりますので省略いたしました。

申し訳ございません。

歌詞を和訳して解説いたします。

「フルスピードで前進開始

ミスター・パーカー、フルスピードで前進開始だ

ここでフルスピード、提督!

戦闘配置! 戦闘配置!

アイアイサー、撃つんだ!

キャプテン! キャプテン!」

無線交信を真似ています

きちんと無線機から発せられた言葉と分かるような処理がされているのです。

どこまでも楽しんで創っている感じがして楽しい。

子どもが戦争ごっこをしているような雰囲気でしょう。

演じているのは立派な大人なのですが子どもたちを楽しませたいという思いが透けて微笑ましいです。

この箇所の声はポールとジョンがレコーディング・スタジオの外から大声で叫んだそう

曲の中でボコボコボコと水に潜る際に発する気泡の音はジョン・レノンのアイディア

ブリキ缶に水を入れてストローでブクブクと吹いたそうです。

手作り感が満載で、映画やテレビ・メディアの音響さんたちの苦労にも似ています。

やはりリンゴ・スターのシングルのためにバンドとゲストやエンジニアが一丸となっているのです

こうした仲のいい雰囲気は中期のビートルズでしか望めないものでしょう。

ドノヴァンが加えたフレーズ

イギリスのボブ・ディランの才能

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As we live a life of ease…
Every one of us has all we need…
Sky of blue and sea of green…
In our yellow submarine…

出典: イエロー・サブマリン/作詞 :Lennon=McCartney 作曲 :Lennon=McCartney

楽しかった時間ももうすぐ終わりです。

いよいよクライマックス直前になります。

歌詞を和訳して解説いたしましょう。

「僕たちはイージーな人生を送っているから

(イージーな人生)

僕たちの全員が

(僕たちの全員)

必要なものは全部持っている

(必要なものは全部持っている)

青い空(青い空)

そして紺碧の海

(紺碧の海)

僕たちの黄色い(僕たちの黄色い)

潜水艦(潜水艦、ハハ)」

この箇所の「青い空、そして紺碧の海」という箇所はドノヴァンが書き添えました

今の若いリスナーにとってドノヴァンは馴染みのないアーティストかもしれません。

しかし当時は「イギリスのボブ・ディラン」として一世を風靡します。

フォーク・ロックの旗手なのですがサイケデリックな風味があり、その楽曲は永遠の魅力を放つのです

ハーディー・ガーディー・マン」「サンシャイン・スーパーマン」「メロー・イエロー

ポップな曲調に潜むサイケデリックな風味が味わい深いです。

忘れたくないアーティストのひとり。

ボブ・ディランの再来といわれるだけあり詩的センスも素晴らしい人です

「イエロー・サブマリン」でもその才能で貢献いたしました。

「僕たちは黄色い潜水艦の中」

録音メンバーの大半が天国へ