【分かってくれよ】とはどんな曲?
19歳の時に書いた男性目線の楽曲
1995年に兵庫県で生まれた女性シンガーソングライター【あいみょん】。
少しレトロな雰囲気と繊細な心情を綴った歌詞が人気を博しています。
そんな彼女が2015年5月20日に発売した楽曲が【分かってくれよ】です。
この楽曲は「貴方解剖純愛歌~死ね~」も収録されたミニアルバム「tamago」の中の1曲。
女性であるあいみょんが綴るのは男性目線からみた恋人に対する心情。
昔男の子と勘違いしていたあいみょんだからこそ描ける男性目線が魅力の楽曲になっているのです。
タイトルから読み取れる想い
タイトルは【分かってくれよ】。
ここから読み解くことができるのは、男性の伝わらない想いです。
恋人同士の想いの違いは必ず出てきます。
男性と女性であることで考え方や感じ方にも多少の差が出てきてしまうもの。
この主人公も恋人との恋に対しての向き合い方の違いに少し戸惑っているようです。
男性が何故素直に本音を言うことができないのか。
2人の関係性も踏まえながら、歌詞に込められた想いを解釈していきたいと思います。
すれ違う2人の想い
届かない彼女の想い
君はケンカした夜に
公園で泣いてるんだってね
風の噂で聞いたよ 僕にどうしろって言うの?
出典: 分かってくれよ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
この楽曲の物語の軸になっていくのは恋人同士の2人。
自分ではない人と一緒に過ごす時間が増えると、自分の思い通りにならないことも増えていきます。
そのような時に勃発してしまうのが痴話喧嘩なのです。
この恋人たちも2人の考え方の違いで揉め、争いになってしまいました。
そしてその後に彼女の方が、1人公園で項垂れていることを主人公は知ってしまいます。
彼女の優しさと気づかい、そして泣いているところを見られたくないという想いから1人泣いているのです。
しかし主人公は彼女のその行動に対して、理解できていません。
「どうして1人で泣くのだろう」「僕に何を求めているのだろう」。
彼女の想いや気づかいは一切伝わっていないのです。
2人がみせる優しさ
何も一人で泣くことないだろう
僕に話してくれたらいいのに
出典: 分かってくれよ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
主人公も彼女のことが気になってしまいます。
好きだからこそ側にいてあげたいのにどうして隠れて泣いているのだろう。
彼の想いもまた彼女には届きません。
頭の中で考えているだけでは想いは伝わらないのです。
この歌詞から分かるのは言葉にしなければ想いは伝わらないということ。
彼女も1人で泣きたい訳ではなく、本当は彼に寄り添ってきて欲しかったかもしれません。
1人になりたい時もあるでしょうが、喧嘩した後に彼に弱い部分を見せたくなかったのでしょう。
彼も彼女のことが心配で、近くにいってあげたい。
しかしまた喧嘩が再燃しそうでどうしたら良いのか分からなくなってしまっています。
2人の想いはすれ違い、お互いに届くことはないのです。
恋人同士だからこそ気をつかってしまう。
この歌詞からはお互いの優しさや小さなプライドからくる2人の心情を読み解くことができました。
自分勝手な感情
自分を受け入れて欲しいと願う
分かってくれよこんな僕を
あまり考え込むのは好きじゃないんだ
理解しておくれ 不器用な僕を
君を好きなことには変わりはないんだ
出典: 分かってくれよ/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
主人公はただ自分のことを理解して欲しいのです。
自分はこういう性格でこんな風に生きていくのが好きなのだと。
ここからは彼の少し自分勝手で他人任せな性格が感じ取れます。
恋人のことを自分から理解する素振りはみせずに、相手に理解してもらおうとしているのです。
自分が変わろうとしなければ、相手も変わろうとはしてくれません。
主人公の心の中には「自分は自分」という想いが強く確立しているのでしょう。
だからこそ相手に求めてしまうのです。
お互いがお互いを想い合い、助け合い、支え合う恋人関係。
一方的に求めているだけではその関係はいずれ崩れ去ってしまうのです。