「ヤングアダルト」の歌詞を解説
マカロニえんぴつ渾身の1曲
5th mini album『season』に収録された「ヤングアダルト」。
彼らのこれまでの楽曲に反して、この楽曲はとてもストレートなロックです。
そんなサウンドから伝わってくるのは、真っ直ぐに想いを伝えたいという彼らの覚悟でした。
マカロニえんぴつは、その時々に応じてバラエティに富んだ楽曲を発表しています。
彼らはメンバー全員が音楽大学出身ということが大きな強みです。
いつもポップでありつつも、音色やリズム、独自のコード感等を巧みに使ってきました。
そうすることで、他のバンドとの差別化を図ってきたのでしょう。
しかし、前述したように「ヤングアダルト」は今までと違い、ド直球の楽曲であるように感じます。
サウンドを正直にすることで、殊更浮かび上がってきたのが歌詞のメッセージ性です。
今回は、その歌詞の解釈をお届けしたいと思います。
MVはこちら
このMVは横田光亮さんによって撮られた作品となっています。
再生数は昨年の8月に公開して5ヶ月で180万再生を超えました。
この楽曲がこれほど多くの人の心に届いている理由はなんでしょうか。
聴いた人はきっと、彼らが込めたメッセージを無意識に受け取っているのだと思います。
そのメッセージや彼らが表現したかったこととは、何なのでしょうか。
早速「ヤングアダルト」の歌詞を解釈し、彼らがこの曲に込めた想いを紐解いていきましょう。
1番の歌詞の意味は?
若者たちの苦悩
夢を見失った若者たちは
希望を求めて文学を
はたまた汗まみれのスマートフォンを
握り締めて詩を書き溜める
出典: ヤングアダルト/作詞:はっとり 作曲:はっとり
小気味良いギターの音と共に、出だしの歌詞が耳に入ってきます。
ここで描かれているのは、現代の若者たちの姿です。
決まった目標が持てなくなったり、何かを諦めてしまったりした彼ら。
行き場のない気持ちや、日々感じる社会への疑問。
そのモヤモヤを内に秘めながら、何かしらの形で表現せずにいられないのでしょう。
そんな彼らの苦悩が目に浮かびます。
諦めながら生きていく
ハロー、絶望
こんなはずじゃなかったかい?
でもね、そんなもんなのかもしれない
僕らに足りないのはいつだって
アルコールじゃなくて愛情なんだけどな
出典: ヤングアダルト/作詞:はっとり 作曲:はっとり
次のパートです。ここでは、簡単にいうと諦めと愛情の欠如を表しているようです。
1行目では、この後何度もリフレインすることになる「ハロー〜」というフレーズが出てきます。
この時代を生きる人々の閉塞感をうまく表現した言葉です。
日々うまく行かないことが多い私たちの生活には、挫折を感じることが多くあります。
この1節は、いつも絶望が私たちの近くにあるのだということを私たちに自覚させます。
2~3行目はその今の満たされなさを受容していこうという表現に見えます。
この諦めには切なさが漂っています。
折り合いを付けているように見えて、後悔が滲むような表現です。
そして、4~5行目で、その満たされなさの原因は愛情の欠如だと作者は悟っているのです。
お酒に頼って寂しさを埋めても、結局私たちに必要なのは、愛情なのだと語っています。
2番の歌詞の意味は?
恋の行方
全てを捧げた大事な恋は
時間をかけて砂になった
いつかは、もしかしたらって
そのインターフォンに
シッポ振ることもなくなった
出典: ヤングアダルト/作詞:はっとり 作曲:はっとり