今回が「最後」と高らかに宣言します

Official髭男dism【最後の恋煩い】歌詞の意味を解説!すり減るのに幸せ?「最後」の意味に迫るの画像

最後の恋煩いを始めよう
何度も「これが最後」って言いあおう

出典: 最後の恋煩い/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

最後の恋なんて聞くとちょっとカッコよく聞こえるけれどここでは「煩う」のです。

「煩う」は心が傷んで悩むこと。そこにプラスされた「恋」。

ただならぬ恋であることが伺えます。日常生活にも支障が出てしまうような恋なのでしょう。

その恋を今回で「最後」にすると高らかに歌い上げます。

気持ちの良く遠くまで届く声は、これで終わりという決意も感じることができますね。

しかも最後と宣言するのは自分独りでは無いようです。

終わりにすることをお互いに「言い合う」ことも宣言しています。

僕と君の間で繰り返す恋愛の最終宣言が目指すところは…歌詞を進めましょう。

思ったほど幸せじゃない恋する時間

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恋愛と聞くと楽しくて幸せな中にいる2人をイメージします。

でも本当は相手を思うばかりに迷ったり悩んだりすることばかりなのかも。

だから恋なんて終わりにしたい…その思いを素直にカミングアウトしているようです。

しかしそれだけでは無いのかもしれません。

過去に何度も経験した「恋煩い」は、生きていくうえで必要な痛みだと感じているのではないでしょうか。

その時点では辛く苦しい時間でも、過ぎ去ってみれば「素敵な1ページ」として残ります。

主人公はそのことを体験として知っており、人生を彩る「必要悪」だと感じているのです。

でも過去の痛みを覚えているうちは少し臆病になってしまいます。

心拍数を上げたくないから

目を閉じたって 見落とせないだろう
日々の呼吸が乱れだす瞬間
まあいっかなんて放っておいたら
まっ逆さまジ・エンド
それだけは回避しなくちゃな

出典: 最後の恋煩い/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

見えていない相手を不意打ちのように思い出してしまう。

恋愛中には良くあることかもしれません。

思い出したと同時に速まる鼓動、ついでに息をすることにも影響が出始めます。

人の心を外からも内側からも「乱す」のが恋なのでしょう。

恋のせいで起きる熱に浮かされたようなメンタル。

一方的に浮かれたままでは痛い目に合ってしまうことが分かっているようです。

以前に経験したことがあるのでしょう。でも今回はそれを絶対に避けたい…。

そのための次の一手は?カミングアウトは続きます。

恋に浮かれている間はまだ片思いです。

二人の距離が縮まり、独占欲が顔を出してからが「恋煩い」の始まりかもしれません。

なんとか自分だけの人にしたい。でも相手にも感情もありますし生活もあるのです。

恋人なら自分の全てを曝け出しても受け止めてくれると思ったら間違いかもしれません。

好きだからこそ気をつかわなければいけないこともあります。

それに気づいた二人はずっと幸せな時間を共有することができるのです。

話し合うことを続ければ

特大の罵声も 受け取るからいっそ
いい人なんてやめちゃえよ
生前贈与の冊子の表紙を飾るような年頃になっても
全てを語らいあう2人でいたい

出典: 最後の恋煩い/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

恋を終わりにしたい。それは悲しい結末ではなくワンステップ上へ行くためです。

だから今はこの恋を終わりにするために何でもしてしまう心理状態なのでしょう。

恋する相手に「罵声」というパンチが効いたうっぷんの晴らし方を認めています。

しかも通常の大きさではなく最大限のボリュームでぶつけて良いと言っているのです。

大きな声で何を言われても受け止める心の面積を示しているようにも見えますね。

そして次に出てくる「生前贈与」につながるのです。

相続対策のパンフレットの写真が自分たちの30年後を想像させます。

何でも言い合って過ごした2人だから出せる笑顔に思えたのでしょうね。

本当に相続関連のパンフレットを前に告白されたら引いてしまう気もするのですけど。

でもこれが『Official髭男dism』の恋の世界。論理的に責めていきます…。

もしかしたら彼は「結婚」を意識しているのかもしれません。

夫婦であれば、それはもう「家族」です。

家族の間で遠慮と秘密は厳禁だと思っているのでしょう。

そして「家族」になってしまえば「恋煩い」はしなくても良いと考えているのです。

生前贈与のパンフレットに載る「家族」を、彼は「幸せな未来」の象徴と思っています。

恋の先にあるものは…

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最後の恋煩いを始めよう
「うんざりだよ これだからもう!」って言いながらも
笑みがこぼれる
何度も「これが最後」って言い合おう
最後の意味がすり減ってゆくこと
幸せの意味みたいに 思えた 僕ら Uh

出典: 最後の恋煩い/作詞:藤原聡 作曲:藤原聡

今の気持ちを思い切って打ち明けて心は再び動き始めます。

2人の距離が近ければ近いほど起こる行き違い。言った言わないなんて日常茶飯事のようです。

それができる2人だからその後は笑顔になれるのでしょう。

そして2人が「恋」という状態でいることに決別をしようとしています。

恋が終わる…その後に待っているのはHappy endな2人。

「すり減る」と表したのはマイナスな感情では無いのでしょう。

今の恋が終われば待っているのは2人の新しい世界

新しく始まる2人の「幸せ」がそこに見えています。

美しいチャペルでそれぞれの家族に囲まれ祝福の中で新たな家族となる2人。

彼女のウェディングドレスの刺繍の柄まで想像できるような歌詞ですね。

日常的に起こる小さな喧嘩も行き違いも、家族になるためには必要な儀式なのかもしれません。

共に乗り越えた荒波を遠くに眺めながら「やっと落ち着いたね」などと話し合う頃には

お互い白髪が増えている年齢です。

そこまでイメージすると前述の「生前贈与」の意味がより深く感じられるのではないでしょうか。

そんなところも好きだけれど…

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