miwaの6枚目のシングル「441」
オリコンチャート7位を記録
「441」は2011年6月に発売された、miwaの6枚目となるシングル曲。
本作のほかに「Chasing hearts(チェイシングハーツ)」がカップリング曲として収録されています。オリコンチャートでは週間7位を記録しました。
「441」は2010年に行なわれたmiwaの初となるワンマンツアーで披露され、ファンの間ではすでに人気が高かった曲。
当初からCD化を望む声が非常に多かったそうで、晴れてシングルリリースとなったといういきさつがあります。
また「441」は2枚目のオリジナルアルバムである「guitarium(ギタリウム)」(2012年3月発売)にも収録されています。
カップリング曲「Chasing hearts」とセットで聴いてみよう
カップリング曲として収録されている「Chasing hearts」は、映画「鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星」のオープニングテーマとして起用されています。
このようにカップリング曲のほうにタイアップが付いた珍しいケースではないでしょうか。
実はこの「Chasing hearts」という曲、「441」のアナザーストーリーになっているんですよ。
「441」が女性目線なのに対して、「Chasing hearts」は男性側の視点で描かれた内容になっています。
「441」の歌詞については後ほど詳しく触れますが、2つの曲を通して聴いてみると、また新たな発見がありそうなので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
絶妙な歌詞センスが光るmiwaの楽曲
miwaは1990年生まれのシンガーソングライター。彼女がリリースした楽曲はほぼ全て自身の作詞作曲によるものです。
彼女がオリジナル曲を作り始めたのは15歳の頃だといいます。
その後は弾き語りのデモテープを持参してライブハウスへ飛び込み出演を交渉するなどしてライブ活動をスタートさせたmiwa。
やがて下北沢のライブハウスで演奏していた際に業界関係者の目にとまり、晴れて2010年大学在学中にデビューしました。
miwaといえば、キュートなルックスに透明感のある伸びやかな声で知られています。
また彼女が紡ぎ出す歌詞はいつも前向きで、聴く人の背中を後押ししてくれるような歌が多いですよね。
歌の内容は誰しも共感できるものばかり。
胸が熱くなるようメッセージソングも多いことから、若者を中心に絶大な支持を集めているのが分かります。
その類稀なる作詞の才能が存分に発揮された「441」でも、彼女ならではのセンスで恋に悩む女の子の胸の内が描かれています。
「441」の歌詞について
何かが変わってしまった二人
時間が経って 色褪せたって 取り戻したいよ
あの時の笑顔忘れかけてしまったの
今もう一度 ずれたチューニング合わせるように
ねえ、もっとドキドキさせてよ 愛を感じたい
出典: 441/作詞:miwa 作曲:miwa
歌い出しの歌詞からも分かるように、この歌の主人公は彼氏と出会ったころのときめきが色褪せ始めた、と不安を感じているようです。
でもそこですっかり熱が冷めてしまうのではなく、忘れかけている笑顔を取り戻したいと願っているんですね。
ギターのチューニングを合わせ直すように、もう一度二人の間に生じている微妙なズレを修正したいと言っています。
そのために何かきっかけが欲しいと考えていて、彼氏からのアプローチを待っているのでしょうか。
初めて行った花火大会 はぐれそうな私の手 握ってくれたよね
あの時のあなたのぬくもり 今でも忘れてないよ
あなたはあの気持ち覚えていますか いつから愛が足りなくなってしまったの
思い出してみて 私を見て まだ間に合うでしょ?
出典: 441/作詞:miwa 作曲:miwa
初デートの時のやりとりを懐かしく思い出している彼女。
人ごみの中ではぐれないように自分の手をしっかりと握って離さなかった彼氏のぬくもりを思い出して、切ないような気持になります。
私は忘れてないのに、あなたはどうなの?もしかして忘れてしまったの?そう思うと少し彼を責めるような気持ちが湧いてしまうのも仕方ありませんね。
「いつから愛が足りなくなってしまったの」というのは自分に対する彼の愛情のことを言っています。
それと同時に、自分の彼に対する愛情ももしかすると足りていないのかも…という自問にも聞こえますね。
いずれにせよ真っ直ぐに自分だけを見て欲しい、手遅れになる前に彼に新鮮な気持を取り戻してほしいと願っているのです。
時間が経って 色褪せたって 取り戻したいよ
あの時の笑顔忘れかけてしまったの
今もう一度 ずれたチューニング合わせるように
二人の想いひとつにして 奏でた441
出典: 441/作詞:miwa 作曲:miwa
「441」というのはギターのチューニングコードの441Hzを表しています。
二人の想いがピタリと重なれば、また以前のように美しい音色を奏でることができるはず。そう信じたい彼女の気持が痛いほど伝わってきますね。
miwaらしいセンスが光るフレーズです。